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直人side
カランコロンと入口の鈴が鳴り、いつものようにお客様を出迎えようとすると、最近はめっきり見なくなっていた顔がそこにあった。
「直人さん、久しぶりです」
「おー岩ちゃん久しぶりじゃん。元気だった?」
さっきまでAが座っていた席に岩ちゃんが座った。
今まではその隣が岩ちゃんの指定席だったのにね。
てゆうか、あの二人とばったりなんてことになってないよね!?大丈夫かな。って不安で頭はいっぱいになりつつも平常心を取り繕う。
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「で、この前、健二郎さんが〜」
良かった良かった。この分だと気づいた様子は無さそうだな。
さっきからずっと、ニコニコして以前一緒に来てくれた先輩の健二郎くんの話をしてる。
確かに健二郎くんは、話上手で面白くて良い奴だった。
「っと、もうこんな時間かあ...」
岩ちゃんがそう言うから、店内の時計を見るともうすぐ深夜の0時を回ろうとしていた。
閉店まであと2時間。
「そろそろ帰ろうかな。」
着てきたコートを着ながら岩ちゃんは言った。
「また来てね。」
お釣りを受け取ってそう言うと、ニコニコした笑顔であ、そう言えばって口を開いた岩ちゃん。
俺が悪いことしてるわけじゃないのに、なぜかドキドキしてしまう。
「んー?何、彼女でも出来た?笑」
「ああ、そうじゃなくて。Aと臣さんってどんな関係ですか?」
泳ぎまくる俺の視線を完全にわかってる、こいつ。笑顔のままこちらの返事を待っている岩ちゃんに少し狂気すら感じる。
「あー、たまたまね?ここで知り合ったらしいよ?」
「へえ...付き合ってるんですか?」
「いや、それはわかんないけど」
俺がそう言うと分かりましたって言って颯爽と店を出ていった。
俺は、Aに幸せになって欲しいだけなんだけどな。そう簡単にはいかないみたいだよ。
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葵(プロフ) - たかあやさん» そう言っていただけると嬉しいです(;_;)更新暫く滞っていて申し訳ないですが、ご期待に添える事が出来るように頑張ります・・・! (2018年6月30日 19時) (レス) id: ea5accdc2b (このIDを非表示/違反報告)
たかあや(プロフ) - この感じの岩ちゃん臣は初めてですごいハマってます(*^^*)いいなぁ。こんな風に挟まれたい(笑)全くこの先の展開が読めない!!それがいい!!更新楽しみにしています!! (2018年6月30日 16時) (レス) id: 9513f20f64 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:葵 | 作成日時:2018年3月16日 13時