ストロベリーフィールド

9-過去- ページ9

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そして数日後。
ダニエルを近くの公園に呼んだ。
彼は不安そうに私を見つめていて、今すぐにでも抱き着きたい衝動を抑えて勇気を振り絞る。


『ダニエル、別れよう』


悩んで悩んで私が出した答えだった。


「な...んで？」
『もう飽きたの。』
「は？本気？｣
『本気だよ。ちょっと高校生と付き合うってどーゆー感じかなと思って。でももう飽きちゃったから。』


次から次へと出てくる嘘に自分でも腹が立った。本当はそんなことこれっぽっちも思ってないのに。
でも彼を納得させるには決定的な言葉を言わなくちゃダメだと思ったし、自分にもそう言い聞かせるしかなかった。


別れるのが1番問題なく、幸せになれる。


『ダニエルの子供っぽいところも嫌なの。もっと大人な人が良いし、私も社会人になるからいちいちダニエルになんか構ってらんない。だからダニエルも私に構うのはもうやめて、』
「じゃあなんで泣いてんの？」


ダニエルが私の頬の涙を拭おうとしたから、振り払った。
お願い、優しくしないで。


「親の事は俺にはどうしようもないけど、俺はそれでもヌナといたかった。でもヌナが別れたいならそうする。じゃあ。」


その答えはあっさりしていて、振り返ることなく行ってしまったダニエル。


ダニエル、大好きだった。
本当はずっと一緒にいたかった。


『...くっ...う"ぅ...ダニエル...』


涙が止まらなかった。






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当時の私には自信がなかった。色んなことから逃げてばかりいた。
...それは今もあまり変わらないのだけれど。




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