ストロベリーフィールド

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彼に全てを話した。元カレのこと。今までどんなことをされたか、そして今日現れてここまで逃げてきた経緯まで。


『...んで、スネ蹴って逃げてきたの。我ながら頑張ったでしょ？アハハ。』


そう言って笑う私をギュッと抱きしめて、


｢無理して笑わないで。辛かったよな。」


って。


私も彼の背中に腕を回した。
彼の温もりが心地よくて、自然とまた涙が溢れた。


｢めちゃめちゃムカつく。そいつも、それに気づかなかった俺も。前様子がおかしいって思った時もそいつのこと警戒してたんだよね？｣
『うん。』
「あー。くそ。」


ブツブツ言い始めた。
私に言ってるのかよくわかんなかったからとりあえず黙って聞いていたけど、聞いてるうちに可笑しくて笑ってしまった。


心配してくれてありがとう。
ごめんね、手のかかるヌナで。







暫く抱きしめ合っていると、


｢...今俺の腕の中にヌナがいるからすんごい幸せ、ハハ。｣


急にそんなこと言うから恥ずかしくなる。


｢ヌナ、今こんな事言うのもあれなんだけど。｣
『ん？』


｢Aのこと抱きたい。｣
『え！？』


そんな大胆発言に思わず彼の胸を押して少し仰け反ると、


｢嫌ならしない。」


その表情は色気たっぷりで、私の身体は一気に熱を持った。
ストレートにものを言う所は昔から変わってなくて。


ずっとずっと、心の中にはダニエルがいた。
ふとした時に思い出すのは彼だった。
今もそう、私を満たしてくれるのはいつだって彼なんだ。
見つめられてこんなにドキドキして。


今までずっと我慢してきたのに、









『...ダニエル、抱いて。』


もう、抑えは効かなくなっていた。



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