ストロベリーフィールド

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少し木々が茂っている川沿いまできた。


『わー気持ちい。』


川のせせらぎと、時折風に揺られて重なる葉の音が心地よくてグッと背伸びをして大きく深呼吸した。
遠くではバーベキューの声が聞こえる。




｢あの中にいると息つまっちゃうでしょ？｣
『まぁ。』
｢昔からワイワイするの苦手だったじゃん。｣
『...それでここまで連れてきてくれたの？』
｢それもあるけど、ヌナと2人になりたかったから。｣


ここは笑ってほしいのに、こういう時ばっかり真剣な顔する。


『...やめてよそーゆーの。』
｢ハハ。今はそういう話がしたいんじゃなくて、単純に俺と別れてからヌナ元気だったのかなって。何年も会ってなかったから。」
『そうだね、


あれから...』


そこから今までの穴を埋めるようにお互いの話をした。


ダニエルがどこの大学に行ってどんなバイトをしてたのとか、地元に新しいお店が出来たとかまで...


身振り手振りで一生懸命話すダニエルが可愛らしくて、顔が緩む。


単純に楽しかった。まるで昔に戻ったかのように、自然に話せた。




｢...恋愛は？｣
『まあ、それなりに。』


男運全くなかったけどなー。


｢...やっぱ聞くんじゃなかった。｣
『聞いといてなに。』
｢気になるけど知りたくないもどかしい感じ、わかる？｣
『んー...。』


わかりますとも！
だって今私まさにその気持ちだから！
ダニエルもいっぱい恋愛した？って聞きたいけど、聞いたら絶対傷ついて後悔するだろうし。

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