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街頭が照らす道、さっきの出来事のせいでぼーっとしてしまってミニョンの話に適当に相槌をうってしまっていた。
「おーい、話聞いてる?」
『ごめんなんだっけ?』
「考え事?」
『...ちょっと疲れちゃって。』
「さっきからずっと眉間にシワよってる。」
ミニョンが立ち止まるから私も立ち止まった。
コツンと眉間を指で押されて少しフラつくと
「だっせ。」
って笑われた。
普段なら笑い飛ばすのに、今の私にはそんな余裕なんてない。
何故か泣きそうになって、下を向いて唇を噛み締めた。
「A?」
『...私間違ってたのかな。』
「何が?」
『...。』
「そこまで言ったんだから話してみ?」
ミニョンの落ち着いた声が、私の涙腺を緩ませる。
『ダニエルを見てるとわかんなくなるの。せっかく忘れられると思ってたのに...。彼に話しかけられると表面では突っぱねるけど内心ドキドキするし、他の女の人といると胸が痛くなる。』
「うん。」
『さっきの子にね、昔"ダニエルと別れて"って言われたことあって。』
「そっか。」
『"あなたと別れた方が幸せになれる"って。その時はそうかもしれないって、そう思って別れたんだけど...それってただ目の前の事実から逃げ出したかっただけなのかも...。』
抑えきれずに溢れ出した涙を、ミニョンは自分のワイシャツの袖で拭いてくれた。
「泣き虫。」
『マスカラついちゃう。』
「そんなん気にすんな。」
『アハハ、ミニョンに恥ずかしい姿見せちゃったわ。ごめんね?』
力を振り絞って明るく笑ってみせたけど、ミニョンは真剣な顔をして私の事を見つめていた。
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碧花(プロフ) - ジェファンのくだりはつい吹いてしまいました笑笑オーケーオーケー笑笑 (2018年1月28日 17時) (レス) id: 61408c53b3 (このIDを非表示/違反報告)
ぽーる(プロフ) - (名前)みーさん» コメントありがとうございます!!お話がいっぱいになってしまい次に移行しますがそちらもよろしくお願いします(>_<) (2017年11月5日 19時) (レス) id: c07f0270bf (このIDを非表示/違反報告)
(名前)みー(プロフ) - もう、ミニョンもダニエルも素敵すぎて一気に読んでしまいました!更新楽しみにしています!! (2017年11月2日 8時) (レス) id: 9c0d41724e (このIDを非表示/違反報告)
YES。(プロフ) - ぽーるさん» ありがとうございます!!!! 頑張ってください:) (2017年9月15日 20時) (レス) id: 372597b041 (このIDを非表示/違反報告)
ぽーる(プロフ) - NANAさん» はじめまして!コメントありがとうございます^ ^ まだ結末はどうなるかわからないですが、ご期待に応えられるように2パターン落ちで考えてみますね!挫折したらすみません>_< (2017年9月11日 21時) (レス) id: 5df4813f60 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぽーる | 作成日時:2017年8月19日 16時