ストロベリーフィールド

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翌日重い足取りで会社へ向かった。


エレベーターを待っていると、


「おはようヌナ、じゃなくてA先輩。」



で、出たー！



スッと横に立ったかと思えば万遍の笑みで私を見つめてきたダニエル。
朝からその笑顔は眩しすぎて、横目でチラッと見るだけにしておいた。


『おはよう。』


私の気持ちなんて知らずに、彼は途切れる事なく言葉を続ける。


幸い周りには誰もいない。


「昨日ちゃんと眠れた？｣
『バカ声が大きいから！』
「あ、やっとこっち向いてくれた。」
『ダニエル、あのねぇ、』


これじゃあ完全に彼の思うペースだ。


『いい？会社では私と極力接触するのはやめて。』
「じゃあプライベートなら接触して良い？」
『そんなん尚更だめ！』
「じゃあどうやってヌナと仲良くすればいいの？」
『仲良くしなくたっていいでしょ。』
「せっかくまた会えたのに。」


あからさまにしゅんとしたのがわかる。


『だって仲良くなったら...』
「ん？」


仲良くなったら...また好きになっちゃうかもしれないから。


『だめだよ、彼に変な心配かけたくない。』





あーまた口から嘘が出た。




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