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第五十二話 ページ9

あれから職場に戻り、残りの書類を片付けていた。

降谷さんはあのままポアロに残って仕事をするみたいだ。

僕もこの仕事が片付いたら組織の仕事もしなければならない。

また、僕は人を殺すんだ。

そう考えたらキリがないから、僕は書類仕事と向き合う。

この後のことを考えないように

今だけでも、忘れさせてほしいから

そう思いながら、僕はキーボードを弾く。



「…はぁ、終わってしまった」



書類仕事が終わってしまった。

組織の仕事までまだ時間がある。

…仕方ない、ちょっと息抜きしに行こう。



「………ふぅ…やっぱ、美味しくないや」



暗くなった屋上で、そう言いながらも煙草を吸う。

美味しくはない。それは確かなんだけど

これを吸うと、なぜだか落ち着くんだ。



「殺せんせーだったら、煙草を吸っている僕を叱るんだろうなぁ…」



昔、散々言われてきた。

だからたぶん

僕以外の人は煙草を吸っていないと思う。



「でも、これが無くちゃやっていけないんだよ。せんせー」


「へぇ…山田って煙草吸うんだな」


「っ…降谷さん…?すみません、今消しますっ」


「いや、いい。気にしないでくれ」



よりによって上司に喫煙しているところを見られてしまった。



「…そうだよな、やっぱりあの仕事は辛いよな」


「…いえ、そんな事は……これも国のためと思えば…」


「……無理だけは、するなよ」


「降谷さんこそ」


「…フッ……俺にも一本くれないか?」


「いいですよ。どうぞ」


「すまないな」


「いえ。…さっきはケーキ、ありがとうございました」


「サービスすると言ったのはこっちだ。気にするな。…山田、そろそろ時間になる」


「…はい、降谷さん」



今日の任務は、降谷さん、いやバーボンとのタッグだ。

バーボンとなら、いつもより気が楽になれる。



「行きましょう、この国のために」

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yu-kun(プロフ) - アカヤさん» 返信遅くなり申し訳ないです。作品を読んでくださってありがとうございます。 (2020年12月1日 23時) (レス) id: 60a3e99319 (このIDを非表示/違反報告)
アカヤ(プロフ) - 完結おめでとうございます。 とても面白かったです…!! (2020年11月21日 15時) (レス) id: c94cddf62e (このIDを非表示/違反報告)
yu-kun(プロフ) - ドーリー☆さん» そう言って頂けて幸いです。御祝いのお言葉嬉しいです!コメントありがとうございました! (2019年7月29日 14時) (レス) id: 60a3e99319 (このIDを非表示/違反報告)
ドーリー☆(プロフ) - めっちゃいい話だった〜!完結おめでと! (2019年7月29日 14時) (レス) id: e7e2f8dfc2 (このIDを非表示/違反報告)
yu-kun(プロフ) - 椿さん» 御祝いのお言葉嬉しいです。泣いて頂けたのなら幸いです!コメントありがとうございました! (2019年7月29日 12時) (レス) id: 60a3e99319 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:yu-kun | 作者ホームページ:http  
作成日時:2018年12月8日 1時

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