第五十七話 ページ16
「はっ…はぁ…はぁ…降谷、さん…？」
「すまない、魘されているようだったから起こしてしまった」
「…あ、、、い、え…。…あの、降谷さん」
僕はベッドに手を付き起き上がり
「申し訳ございませんでした」
体制を整え土下座をした。
「…それは、何に対しての謝罪だ」
「…任務を、最後までやり遂げなれなかったこと。そして、公安警察官でありながら、己を知らず、見ようともしなかったこと」
降谷さんは何を言わない。
僕は、話を続けた。
「自分を知らない癖に、この日本で生きている人々を守るなんてできっこない。だから、自分の本当の気持ちにすら気づけなかったことへの謝罪です」
「…顔を上げろ」
言われた通りに顔を上げる。
恐る恐る降谷さんの顔を見れば、そこには見たことのないような優しい顔をした降谷さんがいた。
「そう、それでいいんだ」
僕の体を、降谷さんの香りが包む。
とても、あたたかい。
僕を抱き締める降谷さんの体が
僕の頭を撫でてくれる降谷さんが
とても、あたたかかった。
「っ…皆にっ、会いたいっ…！」
降谷さんの服にしがみつき、子供のように泣きじゃくり
そう叫んだ。
「僕のっ、本当の気持ちはっ…皆に会いたいっ…会って、謝りたいっ…皆、大人になって変わっていくけどっ、あの頃みたいにっ、あの頃みたいに笑いあって、馬鹿なことしたいっ…」
何も言わずに、降谷さんは俺を抱き締めて
頭を撫でてくれた。
今日の僕は、作った僕ではなく
そのままの僕。
大人になる過程で、大事なピースが抜け落ちてしまった僕。
そのピースを埋めるため
僕は、降谷さんに縋った。
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yu-kun(プロフ) - アカヤさん» 返信遅くなり申し訳ないです。作品を読んでくださってありがとうございます。 (2020年12月1日 23時) (
レス) id: 60a3e99319 (このIDを非表示/違反報告)
アカヤ(プロフ) - 完結おめでとうございます。 とても面白かったです…！！ (2020年11月21日 15時) (レス) id: c94cddf62e (このIDを非表示/違反報告)
yu-kun(プロフ) - ドーリー☆さん» そう言って頂けて幸いです。御祝いのお言葉嬉しいです！コメントありがとうございました！ (2019年7月29日 14時) (レス) id: 60a3e99319 (このIDを非表示/違反報告)
ドーリー☆(プロフ) - めっちゃいい話だった〜！完結おめでと！ (2019年7月29日 14時) (レス) id: e7e2f8dfc2 (このIDを非表示/違反報告)
yu-kun(プロフ) - 椿さん» 御祝いのお言葉嬉しいです。泣いて頂けたのなら幸いです！コメントありがとうございました！ (2019年7月29日 12時) (レス) id: 60a3e99319 (このIDを非表示/違反報告)
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