気にしないでいいの【shp】

し ページ3

貴方side


いつもの様に指を絡めて手を繋ぎ、電車に乗って仕事場に向かう


相変わらず彼はイケメンでかっこよくて…沢山の女性の視線を引き寄せる


電車を降り、たくさんの人の中を歩いていても、周りの女性たちは立ち止まって彼を振り返る


対する私は美人か。
そう言われるとそうでは無い


どこにでもいるような普通な顔つき。
少しだけ身長は高いか


そうだ。私が彼のことを気にする必要はないじゃないか


こんなにもてているなら態々FZに行かせて…という手間は要らなかったじゃない


なーんだ！気にして損損！


そして機嫌のいいまま仕事場につく
ショッピと少しだけお別れ


いつも残業なしで帰る彼と部長の尻拭いで遅くなる私


全く…一応先輩なのに不甲斐ない


カタカタとキーボードを叩く
すると、キーボードの上を這う虫のようなものが見える


あぁこれ幻覚だな…


見えちゃったもんは仕方がない。少し目を閉じる


そしてそこに虫がいたということを忘れて…また目を開ける


よし。目の前にいたはずの虫たちが見えなくなった(気がするだけ)


この繰り返し。


他にもいろいろ起きる。
ただ、私はいつも黒い虫が見えてしまうのだ


虫が嫌いだからかな…


本当にダメな時はショッピに助けを求める
少しの間抱きついて…安心させる


そうすると見えてしまってもパニックになることなく、仕事が続けられる


いつも…こうやって頼りすぎているんだ…
本当は迷惑だって思ってるんじゃないかな


ただ言ってくれないだけなんじゃないかな…
彼が優しいから…


迷惑かけてごめんね
あなたは自分のしたいことをしたいようにしてよ…


私、いつも頼ってばっかだから…
いっぱい気を使わせている気がしちゃう


私のことなんて気にしないでいいの


どうせもう少しの命なんだし…さ

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