一に仕事と二に看病�� ページ7
朝、布団から起き上がるのがとても辛くて自分の体調の悪さを自覚しないように、気にしないように、マネージャーが迎えにきた車に乗り込んだ。
シートに身体を預けて瞳を閉じていれば、マネージャーから声がかかる。それに、ヒラヒラと手を振って気にしないでとすればそれ以降話しかけられることはなく、今日最初の仕事場についた。
＊
雑誌の撮影を済ませれば昼をすぎてから音楽番組の収録がある。
朝よりも重たく感じる身体に、気を抜いたらふらつきそうになる足元。体調管理が出来てないヤツなんて思われたくなくて、いつも以上にAOとして完璧でいようとした。
なのに
「AO」
『何でしょうか？ウォヌさん。』
にっこり、いつも以上に自分の顔のよさを活かした笑顔。全身に神経を張り巡らせて、指先から足先まで意識した立ち姿。何処にも落ち度なんてないはず。
名前を呼んだだけで、じっと顔をみてくるウォヌさんに首を傾げる。
『何か用がありますか？』
「…AOあっちで」「AOヤー振り確認ー！」
『ホシさん今行きますー！…ウォヌさん何か』
言おうとしてましたか？そう言葉が続く筈だったのに、ホシさんに返事をしてから表情が読めない。
『呼ばれてるので行きますね。』
横を通り過ぎようと踏み出した時に限って、少しだけふらついてしまう。転ばないように咄嗟に、手を着こうとするよりも横から伸びてきた腕に支えられる。いつもの香水の匂いがして、支えてくれたウォヌオッパを見上げると怒ったような顔をしていて。どうしていいか分からなくなる。
『ウォヌオッパ…』
「A無理しないでね。」
支えてくれた腕にそのまま引き寄せられて、強めに抱き締められる。存在を確かめる様なそれに、何も言えなくなる。
「ホシのところまで、送る。」
『…ありがとうございます。』
腕から解放されたと思ったら、そのまま手が繋がれて心配かけてるなと頭の隅でぼんやり考える。テレビ局なのに恋人繋ぎなの大丈夫かな？なんて回らない頭で考えつつも、抱きしめられたぬくもりにすがりそうになるのを見て見ぬフリをした。合わせてくれている歩幅にゆっくりとついて行った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 403人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
naoki(プロフ) - みなさん» コメントありがとうございます。そうです！うたプリも好きです。そのうち出せたらいいなとみきり発車で初めてます。更新が不定期なので、気長にお待ちいただけると幸いです。 (11月17日 18時) (
レス) id: 29b6c1a68a (このIDを非表示/違反報告)
みな(プロフ) - もしかして、うたプリお好きですか？学園の設定で思わずにやけてしまいました。お話楽しみにしております☺️ (11月17日 5時) (レス) @page1 id: 76a0c82f26 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：naoki | 作成日時：2021年2月23日 20時
