妹の名前は男の子っぽい【伏黒恵】

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恵side




ミーン ミンミンミーン




石段に座りながらボーッとする



春希に関しては、地べたに寝転んでいる


シュンと縮こまった背中はやけに小さい





野薔薇「アンタ、妹どうにかしなさいよ。こっちまで辛気臭くなるじゃない」



そう言う釘崎の顔は涙を堪えているように見えた





ハァ と小さくため息をつく


恵「春希、起きろ」






春希『…うるさい』


恵「……」



再び沈黙に戻り、なんとも言えない空気が再び広がる







真希「いつもに増して辛気くせぇなお前ら。お通夜かよ」




恵「禪院先輩」


無言で春希を指差す




真希「私を苗字で呼ぶんじゃね＿＿あ？」




パンダ「真希！春希の様子を見て察しろ！！」


棘「ツナ！！」



木の影から懸命に叫ぶ先輩達







真希先輩はようやく気がついたようだ



魂が抜けたように地面に寝転ぶ春希に






真希「は や く 言 え や！！私が血も涙も無い鬼みてぇだろ！？」





割とそんな感じ……いや、黙っておこう



今喋ったら飛んでくるのは拳。または背中の呪具






パンダ「春希〜起きろ〜？このままだと死んだセミみてぇだよ？」


棘「しゃけ」



パンダ先輩と狗巻先輩が、春希を揺さぶる





春希『……』



やれやれといった感じで手でバツマーク





パンダ「おーいお兄ちゃんお呼びだぞ」



恵「無理ですよ。さっきコイツに『うるさい』って言われました」





そして何やら狗巻先輩が木の棒で何か描いている



春希の周りを囲うように…





棘「高菜こんぶ」ﾄﾞﾔｯ (事件現場)






ハァ…やっぱり唯一尊敬できるのは乙骨先輩だけだ






恵「それで、どうしたんですか。何か話が？」



パンダ「あ〜！そうだ忘れてたぞ。お前らに“京都姉妹校交流会”に出てもらおうと思ってな」





野薔薇「京都…なんて？」


恵「京都姉妹校交流会。…一年も出るんですか？」




棘「しゃけ！いくら明太子」(三年生停学中)




真希「やるだろ。仲間が死んだんだもな」



…そんなもん決まってる





「「『やる』」」






恵「…春希！」


地面から起き上がり、袖で目元を擦る



何かを決心したような表情だった






恵「目、すごい腫れてるぞ笑」




春希『うるさいなぁ』



割と本気の力で背中を叩かれる


結構痛い




恵(良かった、いつもの春希だ)


春希の涙の跡を、軽く指で拭いながら微笑む





真希「そんじゃあ、交流会までビシバシ鍛えてやっから！覚悟しとけよ」

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