妹の名前は男の子っぽい【伏黒恵】

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【緊急事態のため高専一年生3名が派遣】






春希『はぁはぁ…はぁ』




雨の中を走りながら、怒りと焦りを抑える



思い出すのは毎日の何気ない日々








なぜ私だけ出張を入れられたのか





ずっと引っ掛かっていた









でも、今なら分かる







私と恵、二人の連携プレーなら特級を祓えたから





そしたら、五条先生に嫌がらせが出来ないから。










サァァァァ




雨が一段と強くなる












春希『恵…！！』







遅かった




壁に打ち付けられた血塗れの恵








駆け寄って恵を揺さぶる




…大丈夫、生きてる










目の前には、悠仁




…否







春希『…宿儺ァ！！』







宿儺「ケヒッ 伏黒恵の妹だな。お前はどんな魅せ方をしてくれるんだ？」




楽しそうに笑う。まるで私たちを玩具のように







春希『…楽しませてあげる』




ザッ








春希『恵、起きて。“アレ”をやる』




恵「っ…ゲホッゲホッ…春希…本当にやるのか」







恵の様子から見て、宿儺と戦ったのだろう








このまま私一人で宿儺と戦い、生き残るか



それとも恵と“アレ”をやって、確実に宿儺を祓うか








春希『…断然後者でしょ』



覚悟はとっくに出来ている









ﾋﾟﾘﾘｯ





空気が変わる







『布瑠部由良由良八握剣異戒
「布瑠部由良由良八握＿＿＿＿







春希『…恵？』







小さな声で呟く恵の様子を見て、ハッとする




恵「＿＿＿＿…でいいんだ。俺は正義のヒーローじゃない。呪術師なんだ」








春希『…そうだね、私も一切後悔してないよ』




涙が頬をつたう






『悠仁…！！』








身体の紋様が消え、悲しげに笑う







胸から止まらない、大量の血



ふらついた足元は今にも倒れそう









悠仁「みんな、長生き…しろよ」






春希『…っ！』



地面に倒れ込む直前の悠仁を抱え込む








恵「…っバカ…お前も長生き、するんだよ…」








…守れな、かった

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