贖罪 ページ17
驚いた、いや、ほんとに
おまえ早起きとかできたのか
コネシマといえば起こしても起きない、
寝起き最悪、とかのイメージしかないからさ…
返事をしようとしたが、自分の声がガサガサで上手く声が出ないのが恥ずかしくてやめた
代わりにベットから起き出て、
こちらからドアを指先で2、3回ノックする。
kn「おう、起きとったんか。」
コン
kn「すまんな朝早くに」
コン
kn「…その、ドア、開けてくれんか？」
…コンコン
少し間があってノックは二回
扉の向こうの動かない気配と沈黙から、二回はNOだということを悟ったコネシマは「さよか…」と小さくつぶやいてまた続ける
kn「俺、Aに謝っとかんといけないと思ってな、その…」
…コン
kn「あー、怒っとる？俺のこと嫌いになった？」
コンコン
kn「すまん、って言っても済むことじゃないのは分かっとる。俺も俺なりに色々考えてアイツらと一緒におまえを支えて行きたいと思っとんねん。」
どうしてコネシマが謝る必要があるんだろうか
彼は何も悪くないのに。
震える手で、二回ノックを返す
彼がいなければ、作戦すら立てられなかった。
幼い頃に家族とも縁を切って今まで生きてきたのに、
今回の件でまた嫌なことを思い出させてしまった。
古傷を抉ってしまった。
今もこうして謝りに来てくれているし
今回の件を自分のせいだと思っている。
むしろ彼こそ被害者なのではないか
kn「その上でおまえが嫌がることとかしたくないねん。俺が嫌いだったら顔も合わせんし、恨んどるんなら二度と目の前に現れんって約束する。だから…」
バンッ！！
kn「…」
わかっている。彼は、不器用で真面目すぎるのだ。
この場で私が口ひどく彼を罵り断罪するのを望んでる
責任を全て1人で背負い込もうとするのだ
私が関わるなといえばそこで終わりだから
この複雑な感情
知らなくて済むから
彼は機械的なように見えるが
根のところは一番人間であるように思う
悪意があったのならよかった。
でも知らないうちに互いの知らないところで広がった黒いシミをどうしようか
この感情の行き着く先なんて、どこまで行っても無いのに
no side
コネシマの足元に扉の下の隙間から、紙が飛んでくる
「ありがとう、でも私が聞きたいのはそんな言葉じゃない。分かってるくせに。私は誰も恨んでなんかいないよ。ごめんね。」
拾い上げた紙がクシャリと歪む
廊下で1人、泣きそうな顔で佇む男を
少しずつ白み始めた空が照らしていた
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わさび(プロフ) - ココカさん» ありがとうございます！！めっちゃ嬉しいです！！ (2021年9月14日 23時) (
レス) id: 5003f4df83 (このIDを非表示/違反報告)
ココカ - 続編、おめでとうございます！最初から一気に読んで読み返しての繰り返しをするほどこの作品が大好きです。お体に気をつけて、更新頑張ってください！ (2021年9月14日 14時) (レス) id: 64702a6588 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わさび | 作成日時：2021年9月7日 18時
