代償 ページ15
「約束…」
A「言っただろ、記憶が戻ったら少しずつでいいから自分のこと教えて欲しいって。」
そういえば…と彼女はポケットを探る
出てきたのは交換した俺のピアス
A「これ、返すわ。あと、それずっと付けてくれててありがと。」
指さすのは俺の耳元。
あの日からずっと銀の十字架がぶら下がっていた。
「ああ、俺も返そう。」
A「考えたんだ、記憶が戻ってから、ずっと。今までのこと、これからのこと。話しとこうと思ってさ」
「……」
A「……場所変えようか、ここ全員は無理だから。」
いるんでしょ？と彼女が扉に向かって話す。
扉を開けると見事に幹部全員が揃っていた。
なんならゾムは上から降ってきた。
皆一様に少し緊張した面持ちである
それはそうだ、彼女の今までとこれからが
本人の口から語られるのだから
A「まったく…」
困ったように笑うその顔に鼓動が早くなるのがわかった
ゾロゾロとみんなで大会議室に移る
A「…さて、何から話そうかな。」
俺らの緊張とは裏腹に彼女はさらっと本題に入る
A「私の…思い出話でもしようか」
彼女は、少し寂しそうに笑った
彼女の口から語られる違う世界の話は、
我々では信じられないようなものばかりだった
彼女自身の生い立ちも、こんな世界に呼ばれたばかりにと憐れむ以外なかった
彼女が元の世界に戻るには、今一度、屍の山を築くほかないのだ
A「…と、こんな感じかな。そして、これからのことだけど…」
ゴクリと唾を飲む
A「…ここにいてもいいですか？」
全員「！！」
em「でも、ご家族が…」
ht「そうだよA、大事な…」
A「向こうの私はどっちみち死んでるんだよ。」
ut「でも…」
A「…あの時、少しだけ戻れたの。多分私がいっぱい殺しちゃったから…」
tn「…」
A「その時にね、思ったんだ。どれだけの犠牲を出せば自分は戻れるんだろうって」
cn「…っ」
A「私ね初めてだったんだ。誰かの命を奪ってしまったこと。そんなの続けても、耐えられない。それなら私がって。それくらいしないと、私は弱いからきっと…」
zm「そんな…」
A「いいの、」
「…」
A「…いいのもう、」
rbr「A…」
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わさび(プロフ) - ココカさん» ありがとうございます！！めっちゃ嬉しいです！！ (2021年9月14日 23時) (
レス) id: 5003f4df83 (このIDを非表示/違反報告)
ココカ - 続編、おめでとうございます！最初から一気に読んで読み返しての繰り返しをするほどこの作品が大好きです。お体に気をつけて、更新頑張ってください！ (2021年9月14日 14時) (レス) id: 64702a6588 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わさび | 作成日時：2021年9月7日 18時
