魔法使い、幹部になりました？ (ページ31)

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魔法使いページ31

em side
信じられない、目の前の女性は私が今まで学んできた魔術史を全てぶち壊した
自らを魔法使いだと言う彼女は魔法陣も詠唱もなく力を使うことができる
本当に我々が理解できないレベルの人だったのだ

魔術師一人で国が左右されるこの世の中で、
魔法使いなんて聞いたことがない
こんなイレギュラーがあっていいのか

魔術は難しいものだと思われがちだが、ちゃんと理屈がある
ただし実際に使える人はほんの一握り、
だからこそロマンや可能性を秘めているし
一方で悲劇も起こる

彼女は自分の価値を分かっているのか

魔法使いなんて御伽噺の中だけだと思ってた
本人の思う通りにすぐ使える魔法

自分が今まで積み上げたものが壊されていく怒りや虚無感と同時に
魔法のことを、彼女のことを知りたい、教わりたいと言う気持ちが膨らんでいくのが分かった

gr side
最初見た時、自分が女だったらこんな感じなのだろうと思った
なんとなく自分に似ている目の前の女は自分の事を“魔法使い”と名乗った
魔術すらも科学で肯定された時代にそんな不確かなものを名乗るか

気に入った

ぜひうちに迎え入れたい、が彼女から見た俺の印象は言うまでもなく最低なのである
(自業自得)

それにこんなヤバい奴がいるなんて知れたら
世界大戦勃発するだろうし敵に回られたら歯も立たないだろう

当の本人は自分の価値に気づいてない
まったく、罪な女だ

というかそれ抜きでも、頭も良くて観察力もあって反射神経もいいとか普通に素晴らしすぎる人材なので是非うちに来て欲しい

問題はどうやて引き入れるかだ。俺は完全に嫌われているし
トン氏は、もう手を貸してはくれないだろう

それにこの女、驚くほど欲がない。給料や待遇を提示しても
「別に今で足りてる」と言ってびくともしない

ちょっとこれは難しいナァ～(汗)