18 五条Side ページ19
その事件が起きたのは、二日前。
何と僕のAが上層部の命令で雄英に長期任務となった。おおかた、僕と仲の良いAを遠くに飛ばしたかったんだろう。
本当に腐った連中だ。
Aと出会ったのは、高専卒業後、20歳の頃。僕が任務で狼界家にお邪魔したのが出会いだった。
そもそも彼女は、御三家･禪院家の術式と名門･狼界家の術式を二つ継いだ逸材だ。
そのせいで上層部や思考の古臭い連中、御三家は喉から手が出るほどに欲しかった。
狼界家の当時の当主･Aの父親と母親は、Aの事を溺愛していて｢渡すもんか｣と盾突いていた。
Aも、そんな両親を心から愛していたであろう。
･･････でも今は証明のしようが無い。
Aの両親は、上層部の罠に掛かり殺されてしまった。
あの時のAは本当に目に光が無い、虚ろな目をしていた。
愛していた者を奪われた怒りを、彼女は7歳で覚えてしまったのだ。
悲しみ、怒り、憎しみ･･･
行き場の無いそんな感情は、Aの中にあった呪術師としての才能を開花させてしまった。
呪力は負の感情が元となる為、深い負の感情のあるAは呪力が底無しの様にあった。
そんな彼女を、一層ミカン共は欲しがった。
僕はそんなあいつらに死ぬほど軽蔑の感情を抱き、Aを五条家で引き取った。
五条家の奴らは喜んでいたが、僕はそんな感情を抱く気になれなかった。
僕が引き取った頃の彼女は、本当に見ていて辛かった。
Aの両親と僕は関わりがあった為、何度か幼い頃のAも見た事がある。
あの頃は本当に花が咲く様な笑顔で、思わず無意識に頬が緩んでしまう位だった。
だが、そんな面影は何処にも無かった。
そして、僕が引き取ってからしばらくしてAの求めている物が分かった。
それは、｢愛｣。
大好きな両親から毎日向けられていた愛を、Aはずっと求めていた。
それから僕は、Aに沢山話しかけた。少しでも、僕が君に向ける思いに気付いて貰うために。
ねえA。
君はいつも僕が｢からかっている｣と思ってる様だけど･･･
早く僕の本心に気付いてよ。
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ゆずな - えのき鍋さん！この作品は私の大好きな作品で読んでいくうちにどんどんハマっていってしまいました(笑)文章も分かりやすく表現されていて、お世辞でも下手なんて言えません。。この作品本当に大好きなのでえのき鍋さんが更新を再開するのを待ってます！ (10月9日 16時) (
レス) @page29 id: f39121074c (このIDを非表示/違反報告)
森の中の小人 - えのき鍋さん、私は、この作品が、大大大好きです！人に言われたことなんて気にしなくていいんですよ！がんばれ！！！！！ (2022年1月14日 13時) (レス) @page29 id: 6bf4bc3648 (このIDを非表示/違反報告)
イチゴ - えのき鍋さん、私はこの作品が大好きです。夢主の過去が描かれている部分は特に読んでいて文章力がすごいなとおも (2021年8月20日 10時) (レス) id: e1f9a6c270 (このIDを非表示/違反報告)
イチゴ - えのき鍋さん、私はこの作品が大好きです。夢主の過去が描かれている部分は特に読んでいて文章力がすごいなと、思いました。ずっと応援しています。更新待ってます (2021年8月20日 10時) (レス) id: e1f9a6c270 (このIDを非表示/違反報告)
セツナ - えのき鍋さん!!!!!頑張れー!!! (2021年5月28日 22時) (レス) id: 01d6a190b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えのき鍋 | 作成日時：2021年4月10日 19時
