【ヒロアカ】風の奮励【轟焦凍】 (ページ8)

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7話ページ8

「………羨ましいと思うのは、別に普通だろ。ヒーローに憧れてるやつだったら誰だってそう思う。プロヒーローの血縁ってのは周りから見れば良い事にしか思えない。だから気にすることはないだろ。」

『そう、だろうか。』

「ああ。…………ただ、俺の家族を羨ましく思うのはやめておいた方が良い。だってアイツは………あんなヤツは、ヒーローなんかじゃねえ。」

険しい顔でそう語る轟の瞳からは、尋常じゃないほどの恨みを感じた。

(アイツｰｰｰｰｰｰっていうのはエンデヴァーの事なんだろう。もしかしなくても……彼の家族仲は思っていた以上に悪いのではないだろうか。)

『私はなにやら、君に嫌なことを思い出させてしまったようだな………。本当に申し訳ない。あと、今回の事も、いきなり押しかけてしまって申し訳ない。』

「別にそれは構わねえ。むしろ狙われてる事を教えてくれたことに感謝してる。対応は速え方がいいだろうし、俺は早速今から警察とヒーローんとこ行くけど………お前はどうするんだ？」

『ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ私は、今までの自分に決着をつけてくる。』

その言葉で忍の考えをある程度理解したのだろう。轟は「そうか。」と一言だけ言い、それ以上は何も言わなかった。

轟の家を出て、轟は近くの警察署とヒーロー事務所へ(本人は絶対にエンデヴァーは頼らないと真顔で言っていた)、忍は自身の家に向かって歩きだした。

道中、忍の頭には、決して消えない痛みと苦しみの記憶が渦巻いていた。