性悪女子とドS男子【国見英】

17 入部意思があれば大丈Ｖ ページ18

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及「で、どうだった？今日！」




部活終了後、ネットを片付けていたら手伝いに来てくれたクソ……及川さんに話しかけられた。





「……楽しかったです。」





控えめな声でそう答える。


本音だった。ていうか、ここ最近で一番毒を吐かない日だったと思う。




分からなくても優しく教えてくれる、ドリンクを渡したら「ありがとう」と笑ってくれる。


体験は１日で十分な程だった。

１日だけでも分かる、みんなが優しい人ってこと。





及「………みんな良いやつだからね。」






そう言いながら倉庫を閉める。


及川さんの顔は、優しい笑顔を浮かべていた。




倉庫から離れて２人で歩いていると、岩ちゃんさんと花巻さんが向こう側からやってくる。






岩「体験マネお疲れ。」



花「今日、Aちゃんが来てくれたからか、みんな調子良かったんだ。」






そう言いながら、「はい！」と某スポーツドリンクを手渡してきた。


校舎内にある自動販売機で買ってきてくれたんだ……。






「お金……」



岩「いい。お礼として受け取っとけ。」







岩ちゃんさんの押しに負けて、おずおずと花巻さんの手からスポーツドリンクを受け取る。








松「ね、みんな良い人でしょ。」




及「及川さんが一番だけどね！」








その後ろから現れた松川さんがそう言いながら私に微笑んだ。


私の隣では及川さんが謎のポーズを決めている。





「………みんな、良い人なの……分かります。」






ぎゅっとペットボトルを持つ手に力が入った。



いいのかな。


私みたいな捻くれ人間が入っても、いいのかな。






躊躇っていると、後ろからぽんっと肩に手を添えられる。







国「大丈夫。この俺が入ってんだから。」



「……だよね。」



国「お？」








確かに、こんなに性格悪いドS変態が入っているのであれば。(失礼)


私は前を真っ直ぐ見据えると、みんなに向かって頭を下げた。








「体験部活、これからもよろしくお願いします！」



及「いや入部しないの！？」









及川さんのツッコミが体育館に響き渡った。









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(え、だって体験日数あと６日もありますよ？１週間ですから。)


(いや、入りたいと思ったタイミングで…！)


(考えが改まるかもしれないので……)







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