夜光に頭を撫でられてみた ページ12
ああ、びっくりした…。
メノウはボーっとしているように見えて、急に大胆になる。
夜光「全く…メノウが迷惑かけてごめんね」
メノウの後ろ姿を恨めしそうに睨んだ後、あなたの方に振り返る。
夜光が身に纏うのはＫの衣装だ。よく似合っている。
夜光「…衣装気になる？もしかして似合ってない？」
あなたの目線に気付いた夜光が不安そうに聞く。あなたが似合っている、と言うと、夜光はよかった、と微笑む。
夜光「また舞台に立つかもなとは思ってたけど、まさかこんなに早く、しかもチームＫとしてショーに出るなんてね。」
そう言いながら自らの着ている衣装に触れた。
夜光「…色々あったな。本当に。」
記憶が鮮明によみがえる。
『荒野にて』の千秋楽でリンドウからセンターを奪い、その後、リンドウとダブルキャストという名の対決をした『銀河鉄道を探して』。Ｐのアンダーになった彼は『沈まぬ月』で真珠との対決に勝利し、店を去った。
夜光「こうしてステージに立てるのは、あなたのおかげだよ。ありがとう。」
夜光がこちらを向いて言った。
夜光「…何かお礼がしたいな。ねえ、もし俺にできることがあったら何でも言って。」
あなたはその言葉に反応する。
じゃあ、頭を撫でてほしい… と小さな声で言ってみた。
夜光「え、頭…？」
恥ずかしくなったあなたは、やっぱり何でもない、と慌てて取り消す。
夜光「あ、いや！…あなたがしてほしいなら」
夜光はそう言うと、緊張した面持ちで座っているあなたの前に立つ。伸ばした手が髪の毛に触れ、そのままゆっくりと撫でられる。
あなたがそっと夜光の顔を見ると、夜光と目線が合ってしまった。
真っ赤な顔の夜光はパッと顔を背け、同時に撫でていた手も離れていった。
夜光「こ、こんな感じでいいかな」
あなたはお礼を言う。
夜光「はあ、こんなので緊張するなんて情けないな、俺…。学生でもあるまいし。」
そう言いながら口元を押さえる夜光。
夜光「…あ、そろそろショーの最終確認の時間だ。リハ室に行かなきゃ。」
夜光が壁の時計に目をやりながら言った。あなたは頑張ってください、と言って夜光を送り出す。
夜光「ありがとう。…舞台ではこんな情けない姿見せないから。今日も楽しんでいって。」
そう言い残し、夜光はＫの衣装を翻して去っていった。
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黒(プロフ) - ゆりさん» コメントありがとうございます、そう言っていただけて嬉しいです！ (2021年9月10日 10時) (
レス) id: d79032ca3d (このIDを非表示/違反報告)
ゆり(プロフ) - ブラスタの小説がなかなかなくて、こんな小説に出会えて嬉しいです(´；ω；｀) (2021年9月9日 21時) (レス) id: c8b899228b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒 | 作成日時：2021年5月25日 4時
