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4 -three years ago- -O- ページ8

雪が、俺たちの間に降り注ぐ。

お互いに刀を構え、息を止めて

睨み合う俺たちの間に。


二宮の淡い茶色をした瞳は

純粋な殺意をその中に漲らせ

俺のことを見据えている。


…二宮、お前はこれでいいのか?

問いかけたい、できるならば。

けれど、お前はもう俺の

手の届かない場所に行ってしまった…。


だんっ、と雪の降り積もった地面を蹴り

二宮が間合いを詰めてくる。

血に飢えた刃が白銀に輝き

俺の首を狙い、振り抜かれた。


俺はそれを跳ね退け、咄嗟に

息がかかるほど近くにいる

二宮に向かい、刀を突き出す。

二宮はその刃先を受け止め、

そのまま鍔ぜり合いに持ち込んできた。


お互いの熱い息を感じられる、

そんな近くで、俺と二宮は

微動だにせず睨み合う。

お互いの殺意をこめた刃は

がっちりとぶつかり合い、動かないまま。

二宮の燃える瞳に、俺が映る。


「二宮…

…お前、本気だな」


「本気じゃないと、あんたは斬れない」


低く笑った二宮は、ぐっと

刀を握る手に力を込める。


俺は歯を食いしばり、

二宮の刀を振り払った。

そのまま下から上に、斬り上げる。


ばっと、紅が空に舞う。

二宮の脾腹を捉えた刃から

ぽたぽたと、血が滴り落ちた。

しかし、二宮はにやりと笑い

刀を振り抜いた俺が飛びのくよりも早く

俺の喉目掛けて刃を突き出してきた。


辛うじてそれをかわすも

避けきれなかった刀が、右肩を斬り裂く。

俺は激痛を堪えながら

二宮の華奢な躯を蹴り飛ばした。


完全に不意を突かれた二宮が

ぐらりとよろめき、体を泳がせる。

俺はその隙を逃さず

すぐさま、刀を振り抜いた。


鮮血が迸る。

胸を狙った一撃を、二宮は

自分の右腕で庇った。

彼の華奢な腕に真っ赤な傷が走り

そこから、深紅の花片が舞う。


そのまま、二宮は左手の刀を

反撃とばかりに突き出した。

俺の太股を、その一撃が斬り裂く。


お互いに、雪を紅に染めながら

俺たちは一回、間合いを取る。

白と朱の斑の地面の上、

俺たちは獣のように睨み合った…。

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usamiya(プロフ) - こんにちは~♪パート更新お疲れさまです(^^)やっと兄弟再会したのに…そしてN宮さんの過去が気になる!!大変だと思いますが続き楽しみにしてます。頑張ってください、応援してます♪ (2013年2月18日 16時) (レス) id: 84d03e7a62 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:大宮いぶき | 作成日時:2013年2月18日 8時

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