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5 -N- ページ15

「社長」


「いいから、オレに見せろ」


オレはわざと語気を荒げると

その部下をぎろりと睨みつけた。

すぐさま、そいつは一礼して

オレの前からす、と立ち退く。


オレの目の前、椅子に躯を縛り付けられた

茶髪の青年がもがいていた。


「…あなたですか?

オレの会社の従業員を殺した実行犯は」


オレはその青年に笑いかける。


…今朝、この会社の幹部の一人が

この青年に襲われた。

得物は、これまでに殺された社員たちの

傷口とぴったりと合うナイフ。

彼はすぐに取り押さえられ、

オレの所までつれてこられた…。


「違っ…!俺は、ただ、

命令されただけだ…っ!

俺は、言われただけ…」


「一回黙りましょうか」


オレは言うと、すぐさま拳銃を抜いて

引き金を一回引く。


ぱんっ、と乾いた音がして

青年の肩から、紅が飛び散った。


「…っ!」


歯を食いしばる青年に向かい

オレは、笑いかける。


「質問に答えてもらいましょうかね…?

答えなかったら、今度は眉間ですよ?

…舐めるな、オレを」


どすをきかせて凄むと、青年は

端正な顔に恐怖を顕わにした。

肩が、じわじわと紅く染まっていく…。


オレはぺろりと唇を舐める。

拳銃で青年の眉間を狙いながら

オレは組んでいた脚を戻した。


「…答えろ。

あんたを実行犯にした奴は…

…誰だ?」


そう低い声で問いかけて

オレは拳銃の撃鉄を上げる。

引き金にゆっくり指をかけると

びくり、と青年が躯を震わせた。


ふつふつと沸き上がってくる、嗜虐的な本能。


「ほら、吐けよ…

…じゃねえと、本気で撃つぜ?」


その時、その周辺にいた一人の男が

突然、拳銃を抜いた。


…スパイか。


オレは咄嗟に、その左胸に向かい

拳銃の引き金を引く。

乾いた音とともに、彼の胸に

深紅の華が咲き誇った。


「…その死体、片付けとけ」


オレは残りの部下に命令すると

改めて、捕われの青年に向き直った。


「…どういたぶってやりましょうかね?

真実を聞かせてくれるまでは…」


抑え切れぬ笑みが、零れた。

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usamiya(プロフ) - こんにちは~♪パート更新お疲れさまです(^^)やっと兄弟再会したのに…そしてN宮さんの過去が気になる!!大変だと思いますが続き楽しみにしてます。頑張ってください、応援してます♪ (2013年2月18日 16時) (レス) id: 84d03e7a62 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:大宮いぶき | 作成日時:2013年2月18日 8時

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