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散りゆく軌跡を辿る者はない・4 -M- ページ1

いつもそうだ。


運命ってやつはいつも、

思いもかけないような所で

俺たちの道を踏み外させる。


…なら。

俺たちは、どこで道を誤った?

どこで、俺たちの運命は

破局へと向かってしまったのか?

俺には、わからない…。




その時、俺と二宮は

電車の高架下、長い通路を通っていた。

朝早く…ではない、いわゆる

中途半端な時間だからか、

俺たち以外に、その通路を

通っている人はいなかった。


「松本さん…次の試合、いつです?」


「見に来てくれるんですか?」


そう聞き返すと、二宮は

ふふん、と鼻を鳴らして笑った。


「…ま、会議とかがなかったらですけど。

試合の日時、決まったら

メールでもしてくださいよ」


そう言って、彼は胸ポケットから

最新型のスマートフォンを取り出す。

俺も、自分の携帯を取り出すと

彼から送られてきたデータを受信した。


携帯の画面に表示される、

「二宮和也」という名前。

俺はその名前を見て、わずかに

笑みを零さずにはいられなかった。


その時。

たんっ、と、力強い足音が

背後から地面を蹴り、俺たちへと迫ってくる。


…振り向いた俺が、見たものは。

紺色のパーカーを目深に被って

ナイフを片手に突っ込んでくる

一人の男の姿だった。


「二宮さん、後ろ!」


俺が叫んだ次の瞬間、

二宮の目の色が変わった。


ぱんっ、と乾いた音が響き

相手の肩から、ぱっと深紅が飛び散る。


その相手を見据える彼の手に

いつの間にか、白い拳銃が

銃口から煙を吐き出していた…。


肩を撃たれた襲撃者は

すぐに立ち上がり、二宮に対峙する。


…その顔が。

一瞬だけ、俺を見つめたような気がした。


その時、二宮がいきなり彼に襲いかかる。

一気に距離を詰められた相手は

何回も蹴られ、殴られ

壁にしまいには勢いよく叩きつけられた。


嗜虐的な笑みを浮かべた二宮が


「…調子にのんな、若いの」


囁いて、相手のフードを脱がせる。




…嘘、だろ?

そこに現れた襲撃者の顔に、

俺は、言葉を失った…。

5 -A-→


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usamiya(プロフ) - こんにちは~♪パート更新お疲れさまです(^^)やっと兄弟再会したのに…そしてN宮さんの過去が気になる!!大変だと思いますが続き楽しみにしてます。頑張ってください、応援してます♪ (2013年2月18日 16時) (レス) id: 84d03e7a62 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:大宮いぶき | 作成日時:2013年2月18日 8時

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