15.憧れの存在 ページ19
パーティーの日からマイクの闘争心に火が着いた。
マイクは寝る間も食べる間も惜しみ、息抜きもろくにせず勉強に励んだ。
そんなマイクにコーデリアやランドールも付き合い、頻繁に三人で勉強会を開いてた。
今日も屋外のベンチに三人仲良く並んで問題を解いていた。
しかし……一つ問題があった。
〔一問目〕
「「瞳孔」」
「鱗!」
〔二問目〕
「「爪」」
「まつ毛!」
「「……」」
「あれ?」
マイクは勉強家なこともあり、一年生レベルの問題は大体解ける。
ランドールも思考力があるため、多少は迷っても正解を導き出せる。
コーデリアは……単刀直入に言うと壊滅的に頭が悪い。
マイクやランドールと勉強会、ルームメイトのナンシーと共に授業の復習などの努力はしている。
しかし、それがイマイチ身についていないのだ。
「ごめん、ちょっと飲み物取ってくる。少し待っててくれ」
「俺も他の参考書取ってくる」
「私は……」
「ココはこの問題を穴開くほど読んでいてくれ」
「ラジャー!」
長時間の勉強(主にコーデリアへの指導)でみんな疲れただろうと考えたマイクは三人分の飲み物を取りに行き、ランドールはコーデリアがより理解できやすそうな参考書を探しに行った。
残されたコーデリアは一人で黙々と問題と向き合った。
「マイクやランドールばっかりに頼るのもダメかな……」
コーデリアは問題文をなぞりながらため息をついた。
二人に迷惑をかけている自覚はあるが、どうにもできない自分に嫌悪感を抱いているのだ。
「もっと頑張らないと……あぁ〜、本当にわかんない!わかるかこんなもん!!」
先程までのしおらしい態度から、いきなり荒々しくなったコーデリアはベンチの背もたれに寄りかかる。
「んん〜!!」
ほぼヤケクソ状態で、コーデリアは周りも気にせずに一人駄々をこねる。
ふと我に返り、よく晴れた雲一つない青空をぼーっと見つめながら、コーデリアはどこか物悲しげに呟いた。
「今まで何の興味もなかったけど、怖がらせ屋って難しいんだね、ママ……」
そのトパーズのような瞳に、自分の古い記憶の中にいる憧れの存在……あの凛々しく逞しかった母親を思い浮かべていた。
あの偉大な母親は、こんな難しいことをあんな楽しそうにやっていたんだな……
「よし!やったるか!!」
コーデリアは気合を入れ直して再び問題集を開く。
「ちょっといいかな?」
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ペロンソ(プロフ) - アンズさん、ありがとうございます!!少し前の映画なので需要はあまりないかな?って思っていましたのでそう言っていただけて嬉しいです♡慌ただしい大学に通っていますので、可能な限り更新していきます!(*´꒳`*) (2022年8月7日 4時) (レス) id: 076202af0a (このIDを非表示/違反報告)
アンズ(プロフ) - MUで夢小説書いてくださるの需要しかないです……!面白いので是非更新していただきたいです!(ㅅ˙ ˘ ˙ )♡ (2022年8月6日 0時) (レス) @page14 id: af5bfd0de9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ペロンソ | 作成日時:2021年11月6日 8時