10.学長登場 ページ14
影の正体はモンスターだった。
褐色の身体、大きな翼にムカデの様な足……とても恐ろしいはずなのに気高さをも感じさせるモンスターだ。
「これはこれは学長、嬉しい驚きで」
そう彼女こそがこの怖がらせ学部の学長、ハードスクラブル。
怖がらせ学部初の女性学長にして、歴代学長の悲鳴の記録を全て塗り替えるほどの実力者だ。
学長自身もそれを誇りに思っているのか、ナイト教授や生徒の視線を気にせず、自分の最高記録が収まっているボンベの埃を真っ先に払いに行った。
「どうぞ続けてください。私は今年の新入生がどれほど恐ろしいか見に来ただけです」
そう言うと学長はコーデリアに視線を向ける。
コーデリアは見た目は怖がらせ屋として優秀な人材、学長の目に留まっても何等不思議ではない。
しかし、その眼差しからはコーデリアに対する興味でも期待でもない、別の感情が読み取れた。
「何か激励の言葉を頂けませんか？新入生に」
「激励の言葉……いいでしょう」
少し考えて学長は口を開いた。
「恐ろしさでモンスターの価値は決まります。恐ろしくなかったとしたら、モンスター失格ということです」
ここで学長が自分のことを見たようにマイクは感じ取ったが、気のせいだと思い込もうとした。
「私の役目は優等生をさらに鍛えること。平凡な学生を少しでもマシにすることではありません。ですから、学期末に最終試験を受けてもらいます。試験に落ちたら怖がらせ学部から追放となります」
その言葉に講義室内は騒つく。
つまり、最終試験に落ちたら即終了ということだ。
「それでは皆さん精々、頑張って」
そう言うと学長は大きな翼を広げて、窓から飛び去って行った。
改めて授業に戻り、効果的な唸り声の条件を聞かれて、マイクが自信満々に答えようとした。
「条件は五つです。唸り声がよく響くこと、長く続くこと、そして……」
グオォーーー！！
突如聞こえてきた恐ろしい唸り声に一同が振り返ると、これまた怖がらせ屋になるに相応しい風貌のモンスターがいた。
なんと怖がらせ屋のエリート、サリバンの息子だそうだ。
その為か遅れてきたというのに悪びれる様子もなく完全に舐め腐っている。
「感じ悪いな……なぁ、ココ」
「ZZZ〜」
「まだ寝てたのか⁈」
「起こすの可哀想かなって……」
「ていうか、今の唸り声聞いても起きないんだ……」
この後、マイクに引っ叩かれて目を覚ましたコーデリアであった。
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ペロンソ(プロフ) - アンズさん、ありがとうございます！！少し前の映画なので需要はあまりないかな？って思っていましたのでそう言っていただけて嬉しいです♡慌ただしい大学に通っていますので、可能な限り更新していきます！(*´꒳`*) (2022年8月7日 4時) (
レス) id: 076202af0a (このIDを非表示/違反報告)
アンズ(プロフ) - MUで夢小説書いてくださるの需要しかないです……！面白いので是非更新していただきたいです！(ㅅ˙ ˘ ˙ )♡ (2022年8月6日 0時) (レス) @page14 id: af5bfd0de9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ペロンソ | 作成日時：2021年11月6日 8時
