【w.r.w.r.d.!】snow,showtime！！【企画】 (ページ15)

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ぬくもりと、君と*シャオロンページ15

寒い冬の必需品といえば、何を思い浮かべるだろう？
私だったら、手袋、カイロ、ブーツ…。

あとは、マフラーとか。

今年のバレンタインは一段と寒くて、そこで私はある作戦を思いつく。
それはずっと前から思い続けていた彼へのチョコレート。
一年生の時、隣でずっと笑いかけてくれた彼に恋をして、二年生の時、また一緒だねってバカ騒ぎして、それで今年、またまた一緒で運命を感じちゃって。

いつの間にかどこかへ行っちゃうんじゃないかって、実はずっと怖かったんだけど。
そんなこと言えるわけもなく、可愛げのない私はまだ思いを伝えられていない。
断られた時のシュミレーションは何回しただろうか。成功するイメージが全く思い浮かばずに、ここまでずるずると引っ張っている私も私だけど、

少しくらいは気づいてほしいなって、思う。

もう三年目で、来年からは志望校も別だから、本当にこれが最後のバレンタインなんだ。
そう考えたらやっぱり寂しくて。思い切って今年は気持ちを伝えることにした。
そこまではよかったんだけど、びびりな私にそんな勇気がででくるわけはなくて、いつも義理だから、と渡すのが精一杯だったから、告白の仕方もまるっきりわからない。
だから私は考えた。そして、今マフラーを編んでいる。

これは義理じゃない。そんな気持ちを込めて、慣れない編み物を勉強の合間に少しずつ進めていく。
歪な編み目も自分が作ったものだと考えれば少し愛着がわいた。受け取ってくれるといいな、どうやって渡そうかな、まだ想像できない彼の返事を考えながらゆっくりと手を動かす。
ありがとう、なんて君ははにかんで受け取るんだろう。でも、きっと答えはごめんねだ。今更女の子として見てくれていないのは明らかだった。でも私は編むのをやめない。三年間の思いに終止符を。いつか絶対後悔しないために、そのために私は彼のことを考える。

最後だけ、ちょっとだけ、わがままな私でいたいの。
放課後の夕日が差し込む教室で、

「…受け取って、ほしい。」
「おっ、俺に！？」

ぎゅっと思いが詰められたマフラーを、今日私は渡します。
愛しい、私の大切な人に、ふられてしまえと思いながら、幸せをすこしだけ願いながら。
これが私と旦那さんの初々しい高校生の話なんです。

ぬくもりと、君と/こんにちは、未亜です。
今回このような企画に参加できて本当に嬉しいです。
少しでも多くの人に喜んでもらえたら幸いです。