救世主現る…！？ってお前かい ページ6
「…っ！？」
倒れながら、Bが声にならない声を上げる。
さすがに僕の反撃は想定外だったらしい。
でも、僕だって暴力慣れしてるわけじゃない。
とっさに次の殴りを飛ばしたAが、僕の目にしっかり映る(僕の目は映すだけ、僕の体は反撃はできない)。
肩にAの拳がめり込む。
え、無理ゲー。
そのときの僕は、後ろに倒れる自分の体も、すごい殺気で殴ってくるAも、僕の腹パンでノックアウトされているBも、頭になかった。
あー…、僕、今、生きてるなー…。
痛みで生きてることを自覚するなんて、どうかしてる。
それともう1個。
もう1個、僕が考えていたことは…。
「……ゾム。」
僕はつぶやいた。
「きてくれ、ゾム。」
こんなこと言ったって、ゾムがこないことくらい分かっている。
でも。
ひょっとして、きてくれたりして…
「はいよ、どうした？」
きてくれ…たり…して……？
は………？
クリーパーが降ってくる？
いや、違う。
「……ゾム？」
さっきまで感じていなかった雨が、いっきに顔にかかる。
そこに、目の前に、ゾムがいた。
「んで？俺は何すればええの、A。」
えーと…。
あー、もうどうでもいいや。
僕は脳みそに休憩指令を出し、ゾムに言った。
「ゾム、頼む。そいつ倒して…。僕、もう動けん…。」
ゾムがニッと笑う。
「おっけー、任してくれぜ！」
ぜ…？
使い方おかしくないか？
急な展開に戸惑うA。
A、君の肩パンは、意外と効いたよ…。
暗くなる視界の隅に、生き生きと暴力を振るうクリーパーもといゾムが映った。
そしてそれを境に、僕は意識を失う。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぽていとおおお男爵 - 楽しんでいってね！ (2020年7月13日 20時) (
レス) id: 68a2ceb379 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぽていとおおお男爵 | 作成日時：2020年7月11日 20時
