【d!】雇われ先は吸血鬼だらけ《番外編》

◇ ページ11

そして医務室

「私はだいじょゲホッ！」
「元気な咳やね〜！まあまあ出る感じかな」

カルテか何かに私の症状をスラスラと書く。それ全部大丈夫ってかいてありますよね？覗いて見たらそんなことはなかった。

「あー、じゃあ体重とかは？」
「ゴホッ！？ケホッ」

唐突にそんな事を聞かれても……！
最近体重計なんて乗ってないし、この城の料理も美味しくていつもよりは全然食べてる。
朝ごはんの果物も随分贅沢に感じるし結論知らないし知りたくもない。

「し、しらないです」
「うーん、本当に？じゃあ体重計あるから乗ろっか」
「い、嫌です！」
「年頃だもんねー、そうだよねえ……」
それだけを言うとしんぺい神さんは何かを考えるように顎に手を添えた。

「一つだけ、体重計に乗らない方法あるけど…」
「ホントですか？じゃあそれで！」
アレだろうか。抱っこをしてみてどのくらいの体重かわかる。みたいな。
当の彼はえ？いいの？みたいな雰囲気を出しているが、私も知りたくないので是非という感じだ。

「まあ、いいか。これが一番手っ取り早いし。」

ガシリと肩を掴まれる

って、え？

「あぐ」

「っふ、うぅ？」

首筋にピリリとした痛み。え、これ、噛まれ

「ひぃああっ！？」
その時背筋が伸びる。なにこれ。
グビ、と彼の喉がなる。毒が広がる感覚のかわりに他のみんなと違う圧倒的な吸われている感覚。

「おいし、うん、わかった。」
「は、あ、え、」
「体重は……軽。なんだこれ。平均をしたまわってる。風邪でも消化のいいものは絶対に食べること。風邪もよくひくでしょ？
免疫力が低いんやなあ。どうしようかな」

「えっ！？待って今ので体重がわかるの…？」
「うん。毒は【分析】。一応毒だよ。変な感じしたかもしれんけどね。」

そう話している間にも彼はカルテにいろんなことを書き込んでいる。
薬はこれ、それとあと頭痛もあるんだっけ？と指示も出している。

「今、コウモリたちに薬取りに行ってもらってるからそれまで病人はここで寝ててね。」

「へ！あ、はい」

いい子、と頭を撫でられてなんだが恥ずかしい。


その後、医務室がそれはまあ大変うるさくなっていたが、これまたしんぺい神の一言にみんなは静寂を保つことにした。





「静かにして？掘るよ？」


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