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鬱が唐突に弓矢でAを射た。
嬉しそうに鼻を鳴らす鬱に俺は殴り掛かる

「っお前!」
しかし、彼はそれをわかっていたのか俺の手を胸ぐらからはたいた

「よお見てみ。」
そう言われて撃たれて蹲るAの目の前に立たされる。
「たす、け、、て、、、ゾ」
「聞いちゃアカン!」

もどかしい、目の前に居るAを助けてやれない。しかし俺は鬱に従った。
理由と言われれば明確なものはないが確かに俺の中では居座っていた変なものがいなくなった気がする

「たす、けて、」
「……」

時間は3分くらい経った
口から血を垂らして俺に助けを乞うAにはやはり違和感しかない。
そう思っていた時だった
急にドロ、と血と一緒にAの肌が溶け流れた

「ッ!?」

俺の危機察知能力が赤ランプと大きな音を響かせる。すぐに距離を取ってナイフを構えた

「先生、あれ」
「おん、魔法はよくわからんけどそういう類やろ?」

そう、だ。
しかしこれは一体どうしたものか。
「よし、俺はこれから小屋に侵入してくる」
「分かった。多分あれがゲデヒトニスやろ?任せとけ。時間稼ぎはする」

よし、行動開始。

俺は木に飛び移って小屋の屋根へと登る
したから人の気配はしない。
ザクッとナイフで薄い屋根を四角に切った

そこから顔を出して視認する。いない。



…………なんだか少し。静かすぎる。
気配は全く感じない。はて、ではAは何処に?

感じる空気が異様に緊張している
なんだこの張り詰めた糸が今にも切れそうなギリギリ感。

扉を手当たり次第に開けていく。
しかしどこも普通の部屋で何ら怪しいところはない

コツン、と何かが俺の足にあたる

「これ、鉄か?」
真っ黒な鉄の塊。この小屋の雰囲気に全く似合わない異質なものを見つけた俺は興味程度にそれを舐める。

「……ッ?これ、」

血に似たあの味に紛れて甘く美味しいあの味を感じた

Aの、血の味だ

それを理解した瞬間鳥肌が立つ。
もう一度バタバタと扉を開けて閉めてといろんな部屋を確認して漁る。

ある、ひとつの部屋。
月明かりが差し込む部屋のベッドの裏に張り付いていた宝石を見つける

すぐにバキッとそれを割った。


「ビンゴ」




先生の真似をして、目の前に広がっていたあの部屋は消え、血が広がる部屋へと変わった




胸糞悪い空間に舌打ちをして部屋を出る。すると、部屋の外には引きずられた後があった。





それを辿ると床の小さな扉に着いた

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アイス! - ええ話やぁぁ、、、もしかして主さん神ですか!? (2020年10月12日 21時) (レス) id: 7b09c37ff3 (このIDを非表示/違反報告)
根無し(プロフ) - サンプルさん» サンプル様コメントありがとうございます!最高の褒め言葉です! (2019年6月10日 0時) (レス) id: 7ed1204e38 (このIDを非表示/違反報告)
サンプル - めちゃくちゃ泣けた(TωT)ウルウル (2019年6月9日 20時) (レス) id: 37598dd4c5 (このIDを非表示/違反報告)
根無し(プロフ) - 理香さん» 理香様コメントありがとうございます!完結です〜!番外編もどうぞお楽しみください! (2019年6月9日 18時) (レス) id: 7ed1204e38 (このIDを非表示/違反報告)
草が頭に生えてる人(プロフ) - 完結お疲れさまです!これから番外編も楽しく読ませていただきます! (2019年6月9日 14時) (レス) id: 63555da9ef (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:根無し | 作成日時:2019年6月5日 23時

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