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パリン、
ショッピを倒した時にそんな音が頭に響いた
目の前を見ればショッピがいたはずのそこにガラスの破片が落ちていた。
破片を覗き込めば、そこにはさっきまで話していたショッピが目を閉じて眠っている。
「なんや…これ」
思わずそう呟く。だいぶ長く生きて知識もそこらの人間よりは多いと自負しているがこんな経験はない。
あるとしても魔法だが、こんな魔法は聞いたことがない。
あるとすれば禁忌だ。
好奇心旺盛な面はオスマンにはとっくに割れていたのでそういう類の本は1冊しか読んだことがない。それも直ぐにオスマン見つかって没収されてしまったが。
取り敢えず拾って胸ポケットにしまう。
博識な彼らに聞けば何かわかるかもしれないし
「…誰や」
すぐさま後ろにナイフを向ける。顔を向けずともその異様な気配に変な汗がじわりとにじむ
「びっくりしたあ」
後ろのヤツが間抜けな声で喋った。
ただし、俺とそっくりな声で
「俺、お前と殺りあうきはないで。絶対負けるし」
独特なこの口調で弱気な事を言われるのはいささか腹が立つがそんなことを言ってられる状況では……あるのか?
あまりにも殺意とは程遠いその奇妙な雰囲気にゆっくりと振り返った。
「んなっ!」
思わず声を上げたのも許して欲しい。
なぜなら目の前にいたのは自分と顔も髪も目の色まで瓜二つな男だからだ。
「んふふ、おどろいた?
って、やめて!俺は君を襲うつもりも取り込むつもりもないんやって!」
ナイフを脅し程度に掲げれば振りふたつな男がビクビクと震えていた
なるほど、取り込む、か。
「おい、お前コイツのこと元に戻せるか?」
「えっ、無理です」
「じゃあしね」
「うわぁッ!!!!!!!!待って待って!方法はあるんやって!話すから!話すから!」
割と本気で刺そうと思ったのだがまあ、方法を聞いてからでもいいだろう。ナイフを腰にしまって埃だらけの椅子に座る
「はあ、よかった。
……取り敢えず、自己紹介を。
俺は鏡です。
あっ、待って呆れた顔せんで!ほんまなの!
本題なんやけど戻る方法はひとつある
それはな____」
「は?マジで言っとるん?」
「おん。随分前に鏡の中から見てた。
あ、あとひとつ聞きたいんやけど
____Aって子、知らん?」
再び、二人の間に(一方的な)戦慄が走った
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アイス! - ええ話やぁぁ、、、もしかして主さん神ですか!? (2020年10月12日 21時) (レス) id: 7b09c37ff3 (このIDを非表示/違反報告)
根無し(プロフ) - サンプルさん» サンプル様コメントありがとうございます!最高の褒め言葉です! (2019年6月10日 0時) (レス) id: 7ed1204e38 (このIDを非表示/違反報告)
サンプル - めちゃくちゃ泣けた(TωT)ウルウル (2019年6月9日 20時) (レス) id: 37598dd4c5 (このIDを非表示/違反報告)
根無し(プロフ) - 理香さん» 理香様コメントありがとうございます!完結です〜!番外編もどうぞお楽しみください! (2019年6月9日 18時) (レス) id: 7ed1204e38 (このIDを非表示/違反報告)
草が頭に生えてる人(プロフ) - 完結お疲れさまです!これから番外編も楽しく読ませていただきます! (2019年6月9日 14時) (レス) id: 63555da9ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:根無し | 作成日時:2019年6月5日 23時