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パキッと乾いた音がして手に当てていた額を直ぐにあげる。
＿＿＿＿消え、てる
身体中にあった紫のシミが綺麗に無くなっていた。
呼吸も穏やかなものになっていて涙ももう出ていない。
良かった、彼女は無事そうだ。
ふっと安堵感に襲われて急に体がだるくなる。
「ぐる…？」
その声に一瞬でだるさが吹き飛ぶ
「Aっ！」
良かった、起きた。
少し虚ろな目をしている彼女はどこを見ているのか、いや、今はそんなことはどうでもいい。
どんな夢を見たのか、知りたくて
「なあ」
「ごめん、なさい。グルッペン、さ、ま」
は？なんで急にかしこまるんだ
俺は別に謝られるようなことはしてないし、というかむしろ俺が謝らなければならないはず
「……A？」
窓を背に今にも消えてしまいそうな彼女を呼ぶ。しかし、返事は帰ってこない
「おい……返事をしろ」
少し怒気が含まれる。返事を、返事をしてくれ
「みんな、みんなだいじなの」
「……」
「私ね、ここにきて優しくしてもらったの。たくさん」
「ああ、それはこれからも。そうだろう？」
「うふ、村では厄介者でドジで。人より貧乏だったせいですぐに盗賊に仕立てられたし」
「それがどうした」
「私ね、」
キィ、と不自然に扉が開いた。
「欲張りだから」
ふらり、彼女の身体が後ろに倒れた。
金縛りにあったように俺の体は動かない
「どうか、幸せに＿＿＿＿」
俺の体が動いたのは彼女が窓から落ちた後。
窓の下を見たところで彼女の姿はどこにもなかった。
「……A…？」
虚ろな瞳に俺は映っていたかった。
映っていたのは恐怖、悲しみ、愛しさ
何回呼んでも彼女が俺に返事をすることは無かった
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アイス！ - ええ話やぁぁ、、、もしかして主さん神ですか！？ (2020年10月12日 21時) (
レス) id: 7b09c37ff3 (このIDを非表示/違反報告)
根無し(プロフ) - サンプルさん» サンプル様コメントありがとうございます！最高の褒め言葉です！ (2019年6月10日 0時) (レス) id: 7ed1204e38 (このIDを非表示/違反報告)
サンプル - めちゃくちゃ泣けた(TωT)ｳﾙｳﾙ (2019年6月9日 20時) (レス) id: 37598dd4c5 (このIDを非表示/違反報告)
根無し(プロフ) - 理香さん» 理香様コメントありがとうございます！完結です〜！番外編もどうぞお楽しみください！ (2019年6月9日 18時) (レス) id: 7ed1204e38 (このIDを非表示/違反報告)
草が頭に生えてる人(プロフ) - 完結お疲れさまです！これから番外編も楽しく読ませていただきます！ (2019年6月9日 14時) (レス) id: 63555da9ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：根無し | 作成日時：2019年6月5日 23時
