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撮影は順調すぎるほどに進んで、もう終わりだ。
ありきたりなインタビューには違う答えを、と思って頭を働かしたからか少し痛い。
「やましょ、はい。」
『あぁ、悪いな。』
「あーゆー質問飽きた。」
『しょうがねぇじゃろ。時期が時期なんじゃけぇ。』
「なんか、しょーもないよね。」
『そない文句言わん。』
健太から渡された頭痛薬を飲み込み、水を締める。
何故か健太はこういうところですぐに気付く節がある。
何故かは知らんが、デビュー前からこれだから有り難く貰ってる。
「この後暇？」
『ん、暇。』
「じゃあ、飯行こ。」
『ええよ。他に誰か誘うか？』
「バレンタインのお返しね。だから二人。」
『んー、はいはい。』
「あとこれ、付けといて。似合うと思うから。」
ぽん、と手のひらに置かれた小さな四角い箱。
開ければシルバーリングが一つ、光っていた。
「右手薬指ね。」
『…サイズぴったりなんじゃけど。』
「そりゃ測ってるから。タクシー呼んでもらってくる。」
『あぁ、おう。』
健太に言われた通り、右手薬指に付けて上に掲げる。
キラキラと光るそのシルバーリングは俺には勿体無いぐらい綺麗で輝いていた。
今日の健太はおかしい。
撮影時も常に隣にいたり、同い年の俺には奢るのを嫌がるのにカフェオレや夜ご飯まで奢ったり、やたらと距離が近かったり。
極め付けはシルバーリングだ。
樹「いい指輪つけてますね。」
『これ？』
樹「…どっかで見たことあるんすけど。」
『あー、貰いもんだから分かんねぇや。』
樹「そうなんですね。俺の勘違いかもしれないっす。」
お疲れ様です、と言って楽屋を出て行ったいっちゃんと入れ違いで入ってきた健太。
その指には俺と同じシルバーリングが嵌っていた。
「もうすぐ来るって。」
『…その、指輪。』
「ああ、お揃い。嫌だった？」
『いや、別に…。』
いっちゃんが見たことあると言ってたのは健太の指輪だろう。
俺でも気付かなかった。
まだ楽屋に残ってるメンバーに挨拶をして、楽屋を出る。
その途端、右手を取られて手を繋がれる。
「俺に両想い、ちょうだい。」
そう言って手の甲に口付けて、ニヤッと笑った。
コイツと両想いになる可能性は無くはなさそうだ。
(fin.)
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pipi_kp(プロフ) - きぼうの続編が読んでみたいです！ (2月21日 23時) (
レス) id: eca7215187 (このIDを非表示/違反報告)
Hamamura(プロフ) - 劉さん» お話書いて頂き有難う御座いました (2022年10月16日 18時) (レス) id: 3c35439cb1 (このIDを非表示/違反報告)
劉(プロフ) - Hamamuraさん» リクエストありがとうございました。ご満足いただければ幸いです。 (2022年10月13日 18時) (レス) id: 7b9522fddb (このIDを非表示/違反報告)
Hamamura(プロフ) - いつも楽しく読ませて頂いております。リクエストになるんですが、いつまこの樹くん受けパターンが読んでみたいです。時間があるときで構いませんよろしければ是非お願い致します (2022年7月21日 9時) (レス) id: c35d1889f5 (このIDを非表示/違反報告)
かずき(プロフ) - りくカズありがとうございます！らぶらぶで二人とも可愛いです！ (2022年5月21日 9時) (レス) @page20 id: 8398ff4bcf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：劉 | 作成日時：2021年12月12日 7時
