笑顔36 ページ6
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―そしてあっと今に日が経ち、
今日は待ちに待ったサーカスを観に行く日。
私はサーカスに近い駅で、良哉君と待ち合わせをしていた。
「いたいた!先輩!」
良哉君の声がし、そちらを見ると
良哉君が満面の笑顔で手を振っていた。
私もなんとなく手を振り返してみる。
良「すみません!待ちましたか?」
満「んーん、私もさっき来たばかりだから...」
良「そうなんですか。でもすみません...先輩よりあとに来るなんて。」
満「気にしないで、私も時間気にして早く出ただけだし...じゃあ、行こうか?」
良「はい!」
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―満「もう今日だね。なんかこっちが緊張するな...」
良「なんで先輩が緊張するんすか?」
私たちはサーカスの会場へ向かって歩いていた。
良「今日はしっかり健のことガン見してやってくださいね!健、この日のためにすっごい頑張ってたんですよ。」
満「そうなの?」
良「はい。最近健、学校終わってからほとんど毎日稽古に行って...稽古終わっても自主練してたらしいんです。」
満「そうだったんだ...そこまで...」
良「先輩のためですよ。」
満「え?」
良哉君の言葉に思わず驚き、私は彼を見つめる。
良「健...先輩をどうしても笑顔にしたいからって、一生懸命頑張ってたんです。
だから...今日はしっかり健の頑張る姿を見てやってください。」
良哉君はそう言い、私に微笑みかける
健....私のためにそこまで頑張ってたんだ。
私は彼の笑顔を思い出し、なぜか胸がトクン...と高鳴った。
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作者名:紗也 | 作成日時:2016年2月4日 20時