第42話 新人卒業特別訓練�� ページ43
shp「どんなんすか。」
ci「――――――。」
チーノくんの策は普通に考えると無謀すぎるものだった。しかし、もう私達には手がないので、やるしかない。藁にもすがる思いだった。
「…できそうなん？」
ci「やってみんとわからんよ。少しだけ考えさせて。」
チーノくんは5分ほど考え、作業を終わらせた。
ci「うん、できた。多分。」
「まじか…。」
shp「じゃあ、いきますね。《ハイドロアロー》！」
ショッピさんは黒い炎に向けて矢の形をした水魔法を何発も打ち込む。これだけでは先程と同じだが…
shp「チノさん！」
ci「おっけー！《魔力増幅》！！」
チーノくんの魔法により、水の矢は太く威力を増し、一気に黒い炎の壁を貫いた。
ci「ナイスー！」
shp「ナイスー、Aさん走りますよ。」
炎の壁に大きな穴ができた。黒い炎はすぐに復活するので一瞬しかチャンスはない。3人で穴の間を全力で駆け抜けた。
「はぁ…出れた…！」
tn「お疲れ。ようやったな。」
炎を抜けるとトントンさんが出迎えてくれた。
ci「はぁはぁ…やったぞ、トントン…」
tn「おうチーノ。まさかこの短い間に新しく魔法を作ってしまうなんてな…。」
そう。チーノくんの作戦とは、魔法の魔力を増幅させる新しい魔法をチーノくんが作り、それで炎の壁に穴を開ける、と言うものだ。本当に無謀だと思う。しかしこの訓練はチーノくんが居ないとクリアできなかった。
ci「ふふ、天才やから、当たり前だよなぁ。」
チーノくんはドヤ顔してはいるが、ふらふらだ。
tn「はぁ…ほんま、無茶すんなって。はい、宝玉やで。」
ci「へへ、さんきゅー。」
tn「あと3つやな。今の間に回復しとき、次は西に向かって進んだらおると思うわ。頑張りや。」
「「「ありがとうございます！」」」
トントンさんは回復薬を3つ置き、森を離れていった。
ci「〜〜はぁ〜！疲れた…」
「チーノくん、魔法作ってまうなんて流石やね、ありがとう！」
ci「！ふふ、A〜！！」
チーノくんに回復薬を渡すと、一気に飲み干した。
ci「よし！次も頑張ろうな。」
「うん！」
shp「2人とも置いていきますよ。」
見ればショッピさんがもう離れた場所で待っていた。
「あっ、待ってください〜」
慌てて2人でショッピさんを追いかける。
次はどんな訓練なんだろうか。まだ少しドキドキしている自分がいた。
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作者名：ちろるん | 作成日時：2020年5月31日 12時
