第35話 疑惑 ページ36
「呪いは解いたんですよね…？」
ut「うん。呪いは解いた。そしてチーノだけ呪いが強かったわけでもない。」
「なん、で…」
すると今までだんまりだったショッピさんが口を開いた。
shp「大先生。茶番は良いんで早く説明してください。」
どうせ分かってるんでしょとショッピさんは呆れ顔で大先生に詰め寄る。
ut「バレてたかww説明させてもらいますー…うわ！分かったからショッピくん離れて！！痛い！」
shp「はぁ…ほんまに…」
ショッピさんが一通り大先生に攻撃した後に、説明が始まった。
ut「俺はさっきチーノだけ呪いが強い訳ちゃうって言うたけど、これは半分嘘やねん。…と言うのも、チーノにかけられた呪いは君らと同じやけど、その呪いが”チーノの中で強なってる”て所がポイントやな。」
「なんでですか…？」
ut「この手の呪いはかけられた側の魔力を吸収する特徴があるからやね。チーノはショッピくんより魔力量が多いから、呪いがそれを吸収して少し強なってしもてたんよ。やから、体への影響も大きいねん。」
なるほど…その理由なら頷ける。ただ、一つ気になることがある。
「「私は…？/Aさんは…？」」
そう、魔力量が呪いの強さに比例するなら、なぜ自分は何ともないのか、ショッピさんも同じことを考えていたみたいだ。
ut「そう、それは俺も思っててん。だから呪いの種類に確信が持てへん…。でも、ちゃんと解呪はできたし、他に異常もあらへんから、待ってたら起きると思うよ。」
命に問題は無いことを知り、安堵の息が溢れる。
ut「それにしても…」
大先生がずいっと顔を近づけ、少し低い声になった。
ut「Aちゃん。君〜、なんで呪いの影響が少ないんやろうな？」
場の空気がピリッとする。
shp「大先生あんたまさか、Aさんを疑ってます？」
ut「いや？別にそんなことないけど？」
shp「Aさんは俺らと一緒に居ましたけど、怪しい動きは一切してませんでした。疑うのはやめてください。」
ut「そんなことないって言ってるでしょっ！」
大先生がいつもの調子に戻りつつもショッピさんを牽制する。ショッピさんは今にも掴みかかりそうだ。
「あの、大丈夫なので！私が疑われるのも無理ないです…」
shp「まあ…Aさんがそう言うなら。」
ショッピさんが拳を降ろす。無事に事なきを得ることができたようだ。
その後、大先生の言う通りチーノくんは普通に目覚め、呪いの不安は過ぎ去った。
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作者名：ちろるん | 作成日時：2020年5月31日 12時
