第30話 初任務 ページ31
次の日。夜。
私達後輩ズは任務のために城を初めて出た。
向かうはB国。距離は我が国からさほど離れてはいない。すぐにB国に到着した。
城の門番に気づかれぬよう隠形ですり抜け、浮遊魔法で空いている窓を探す。
そして。
「資料室どこやろう…」
あっさりとB国の城に潜入できてしまった。
ci「なんか、上手くいきすぎて怖いねんけど。」
shp「城の中もガラ空きですね。」
ここまでとんとん拍子に事が進められているとなると、少しは警戒した方が良いのかもしれない。
「…待ってください、この先灯りがついています。」
今まで通ってきた廊下の部屋は暗かったが、私達の場所から真っ直ぐ先の部屋だけ灯りがついている。ショッピさんがこっそり様子を確認してくれた。
shp「…あー、B国の幹部達ですね。恐らくですけど。」
幹部達が部屋に一纏めに集合しているのは、いつもなら好都合なのだが今回は戦闘を避けた方が好ましい。部屋の前を静かに通過し、引き続き資料室を探した。
それにしても、本当に人に出会わない。幹部達の部屋なら護衛が居てもおかしくないのだが。
「…なんか、気味が悪いです。早く帰りましょう。」
ci「そうやね。…あっあそこ怪しくない？」
チーノくんが指さした方を見ると、他の部屋には護衛がいないのに、その部屋には2人護衛がいた。確かに怪しい。その奥には何か大事なものがあるのだろう。
shp「ワイに任してください。」
ショッピさんが流れる手つきで護衛2人をダウンさせる。本当に全てがとんとん拍子だ。
ci「よーし、開けるで。」
鍵がかかっていたのでチーノくんの魔法により鍵を開けて中に入ると、そこには本棚に入れられた本が沢山あった。
「うわ、本がいっぱい。」
shp「いやでも見てください。これ、全部魔法についての本すね。」
ci「確かに。『魔法の歴史』…『魔法の祖先』…魔導書系じゃなくて魔法が生まれた歴史の本ばかりみたい。あ、召喚魔法の本もある。」
shp「さっき幹部達の話を盗み聞きしたんですけど、『始祖の力を使って…』とか言うてたんで、魔法の祖先の力を蘇らせるとかじゃないですか？」
ci「え、もう絶対それやん。こいつらとんでもないこと考えてやがった！」
「じゃあそれに関係するような本の中身、全部貰っていきましょう！」
私とショッピさんで本を集め、チーノくんがコピーする流れで私達はB国の企みに関する情報を集めた後、特に何事もなく城を脱出し帰路についた。
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作者名：ちろるん | 作成日時：2020年5月31日 12時
