第25話 温かい ページ25
「本当に申し訳ございません。」
必死に頭を下げた。償っても償いきれないだろう。
ut「いや、Aちゃん…」
tn「それ、君全然悪ないで？」
しかし返ってきた言葉は思っていたものとは真逆で。
tn「なんて言うか…えらい責任感じてるみたいやけど、ロボロがAを庇ったんは、ただ守りたかっただけやと思うよ。」
”そら、大事な後輩やもん。守ったらなあかんやろ”
”守りたかっただけ”…ロボロさんの言葉が思い出される。
「でも…っ！」
tn「往生際悪いで。A、お前はなんも悪ない。むしろ敵の強さを見誤った俺に責任あるわ。申し訳ない。」
「いやそんな、止めてください」
先程とは逆にトントンさんに頭を下げられ慌てる。しかし、大事なことを思い出した。
「！そういえば、戦争は、どうなったんですか。」
tn「戦争は…俺らの勝利で終わったで。」
ut「そうやなぁ。ゾムらがえらい張り切って首取りに行ったみたいやね。」
今回の戦争で我々部隊の他の皆さんにも迷惑をかけてしまった。後でゾムさん達にも謝らないと。
ut「それにしても、あの心無いロボロが人を庇うなんてな。昔では有り得へんで。Aちゃん、よっぽど大事にされてるんやね。」
心無いとは。
rb「余計なこと言わんでええねん。鬱先生。」
tn「おっロボロさん、おはようございます〜」
考えていたのも束の間、横から待ち望んでいた先輩の声が聞こえ、嬉しくて声が上擦る。
「！ロボロさん！！」
rb「Aちゃん、なんも無くて良かった〜。どっか痛いとことかないか？」
「いえ、大丈夫です、その、ロボロさんこそ…私のせいで…」
rb「えぇ？ええねんええねん、俺は〜〜守りたかっただけ、やし…。」
ロボロさんが少し恥ずかしそうに言うので、つられて顔が赤くなってしまう。
tn「な？言うたやろ？」
「はい…そうですね。ロボロさん、ありがとうございます。」
rb「うん。ほんま、無事で良かったわ。」
その後、ロボロさんと私のお見舞いに戦帰りの我々部隊の皆さんが部屋に来られたが、誰一人として私を責める方はいなかった。
むしろ心配の言葉を沢山貰い、温かい人達に囲まれたことに思わず涙が出てしまった。突然の事にロボロさんが大慌てし、それを見て皆さんが笑う。
こんな幸せが永遠に続けばいいな、と切実に思った。
神様、皆さんに出会わせてくれてありがとうございます。
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作者名：ちろるん | 作成日時：2020年5月31日 12時
