第18話 前夜 ページ18
夜。
フューラー国の軍人全員が食堂に集められた。
gr「皆、明日は戦争だ！我々に不可能は無い！自らを信じ、必ず勝利を掴む！良いな！」
「「「はい！」」」
全員が集められるとなると凄まじい人数だ。我々部隊はトントンさんを除き、食堂を上から眺められる部屋から演説をする総統様を見ている。ちなみにトントンさんは総統様の横に立っている。
ut「それにしても、あの二人が並ぶと流石の威圧感やな。」
kn「せやな。皆グルッペンにサボり癖があるとか知らんねんやろなあ。うん。」
shp「いやあんたらは人のこと言えないでしょ。この前もコネシマさんがサボった分の仕事、俺が済ませたんですからね。」
kn「ショッピ君！？ちゃうじゃないすか！」
ut「えぇシッマ…お前後輩に仕事押しつけてんの…」
ci「あなたの分は俺がやりましたよね、大先生？」
ut「チーノはええねん。」
ci「しばきますよ？」
皆さん、総統様の話を全く聞かずにやいのやいの騒いでいる。
rb「はぁ…あんさんら、そろそろ乾杯やからグラス持ちや。」
それを見て呆れた様子のロボロさんが皆に乾杯を促した。
gr「では、我が国の勝利のために、乾杯！」
「「「乾杯！」」」
「かんぱーい。」
注がれていたワインを飲む。お酒は好きな方だ。
しかし何より、私の大好きなこの国のご飯が、食堂ほどではないが私たちが居る部屋にも十分に用意されている。流石精鋭の揃う秘密部隊。優遇されている。
「んん〜ほんまに美味しい…！」
zm「おっA、ええ食べっぷりやな！」
袖からひょこりとゾムさんが現れた。
「あ、ゾムさん。ここのご飯は本当に美味しいです…幸せです…」
zm「そうかそうか！俺も飯は大好きや！ほら、Aももっと食い！」
ゾムさんによって空になったばかりのお皿にどんどん食事が盛り付けられていく。
せっかく盛り付けられたので残す訳にはいかまい、ともうお腹はいっぱいだが頑張って胃に流し込む。
zm「おおっA〜〜！お前なかなか根性あるやないか！！」
ゾムさんの目が輝いている。そしてせっかく空にしたのに、またお皿に食事が盛り付けられる。
zm「ほら、まだ食えるやろ？」
「ゾムさん…も、もう、無理でふ…」
sya「また新たな被害者が出たな…」
ut「ああ…Aちゃん、ご愁傷さま…」
これを《食害》と呼び、今まで何人ものメンバーが倒れてきたことを知るのは、私がギブアップで倒れてからであった。
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作者名：ちろるん | 作成日時：2020年5月31日 12時
