3話 ページ4
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確か、そうだった気がする。
いやだってそれ1年前くらいの出来事で、正直私の記憶にはもうほとんど残っていない。
いや、正確には今3年の冬で、あれが2年の夏だから1年半前か。
多分その後に何か言ったような気もするけれど、自分が何を言ったのかは全く記憶にないのだ。
覚えているのは、夏油がヤバい感じで座っていて、「この仕事に価値はあるのか？」だなんてくだらない事を聞かれて、その辛気臭い顔にも馬鹿みたいな質問にも腹が立って思いっきりビンタしたことだけ。
その後謝ったかどうかすら私の中ではあやふやだった。
「…あれは確かに相当痛かったよ」
「……いやすまん、普通に加減ミスったと思う」
「でも、君のおかげで私はまだここに居る。君が居たから、この仕事を続けてられるんだ」
そう言って笑った夏油は、初めて会った時の胡散臭い笑顔ではなく、カラッと晴れた夏の日のような、明るい、年相応のそれで。
私の、おかげか。
そう言われるとなんだか心がむず痒くなってしまう。
なんだよ、夏油って私が思ってたよりずっと良い奴なのかも。
「だから、私は君の恋人になりたいんだ。どんな手を使ってでも、ね｣
前言撤回。やっぱり全然良い奴じゃない。
どんな手を使ってでも、ってなに？めっちゃ怖いんですけど。どんな手を使ってくるんだよ。
え、まってまさかその"どんな手"が。
「………ATM？｣
「…君が望むなら、ATMとして利用してくれてもいいよ。お金なら腐るほどあるし」
「もちろん、それで彼女になってくれるならだけどね」と付け足した男に、どうしようもなく哀れな目を向けたくなった。
「……なんだいその目は」
「いや、情けなくね？ATMでもいいからって、お前プライドもへったくへもねぇのかよ」
「プライドはあるよ。でも、そんなプライドをかなぐり捨てでも君が欲しいんだ」
すごくときめく様な事を言っているけど、そのプライド捨てた結果「ATMにしてくれ」なんだからかっこよくも何ともねぇんだよな。
ていうか、なんでATM？
「……私も金はあるから別にATMは必要ねぇんだけど」
「この間、硝子と話してただろ？海外に別荘が欲しいって。だからあって損はないと思うけどね」
＿＿＿＿＿＿いや、言ったわ、確かに。
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らぅ(プロフ) - 夢主イケメンすぎwww最高ですwww (8月8日 8時) (
レス) @page23 id: f9b0273b6d (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - お友達のイラストもよわよわな夏油もつよつよの主人公も大好きでしたありがとうございました (2022年3月8日 3時) (レス) @page24 id: 3c352c4c7a (このIDを非表示/違反報告)
nana(プロフ) - 夢主ちゃんすごいかっこよかった！！これは惚れちゃうね！私も惚れました！ありがとうございます！！ (2022年1月17日 3時) (レス) @page22 id: 7f38ffe42c (このIDを非表示/違反報告)
お茶ん(プロフ) - チョット待って夏油サイコーすぎるWWW 五条に絶対普通に告った後のアピール用に金持ちラブ情報与えたのに、告る時点でのATMはもうネタじゃんWWW わらび餅さんサイコーですWWW (2021年8月30日 22時) (レス) id: f8c5dcff4c (このIDを非表示/違反報告)
わらび餅。(プロフ) - あいりさん» あいりさんありがとうございます〜！夏油が惚れるのもわかる！と思っていただけるようなキャラにしたかったので、好きになってもらえてとっても嬉しいです〜！読んでくださってありがとうございました！ (2021年7月22日 20時) (レス) id: b794bc2212 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わらび餅。
| 作成日時：2021年3月6日 17時
