【呪術廻戦】最凶呪術師は最凶ルートを回避したい

25話 ページ27

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しかし、これだけ膨大な呪力を持っているなんてこと、あるのだろうか。たかが呪霊だ。特級呪霊とはいえど、宿儺ほどのレベルにならなければこれだけの術式を操るのは難しいだろう。

構築術式は、呪力量がものを言う術式なのだから。


では、何がここまで彼に呪力を与えているのか。



｢なぁ、特級｣


｢なぁに？質問かな？｣


｢お前、自身に"縛り"を課してるな？｣



私の言葉に、敵の目付きが変わった。

こいつの底なし呪力の謎は、"縛り"である。
自分に不利になる縛りを課すことによって、呪力を底上げしていた、ということ。

そのおかげで、人間を構築したり、1級呪霊を3体同時に構築したり、はたまた景色を構築したりできたわけだ。
恐らく術式を構築できないのは呪力が足りない、もしくは物質ではない術式は構築できない、といったところか。

術式というのはあくまで式。
体に刻まれたその式に、その人自身の呪力という"数値"を入れることによって発動するものである。

どちらが理由にせよ、コイツは術式のコピーはできない。
術式コピーができれば、私もかなり危なかったかもしれないが、ラッキーだったな。

話を戻そう。



こいつの縛りとは一体何なのか。


｢ずーっと気になってたんだよ。お前が本来の姿を見せないことに｣



自分と同じ顔のやつを殺すのは確かに気が引ける。それを狙っているのも事実だろう。
でも、それだけじゃない。


「お前、本体が別にいるだろ」


こいつが自分にかけている縛り。
それは恐らく、"本体が弱い"こと。

縛りの恩恵がここまで大きいのだから、本体は相当弱いはずだ。今の夏油でも祓えるレベルじゃないかと私は予想している。



「もしかして、本体は動けなかったりすんのか？」


「………どうだろうね」


「図星じゃねぇかよ、その反応」




くく、と笑えば、目の前の呪霊は顔を真っ赤にしながら憤怒する。




＿＿＿＿＿＿阿呆らしい。



「お前、私の後輩を雑魚呼ばわりしたな」


飛んでくる攻撃を軽く受け流しながら話しかけるも、向こうはもう会話をする余裕なんてものは無いらしい。そりゃそうか。本体が見つかったら終わりなんだから。



「どうだ？その雑魚に殺される気分は」


「っ、うるさい！」



私が相手の拳を手で受け止めた瞬間、ヤツの体が崩れ始めた。



「…私の仲間を殺したこと。大事な後輩を雑魚呼ばわりしたこと」





許すものか。





「＿＿＿＿＿死んで詫びろ」

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