【呪術廻戦】最凶呪術師は最凶ルートを回避したい

17話 ページ19

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「………」


「………」




うーん、空気最悪！最悪ですね！呪霊が出そう！！
私の「嫌い」宣言から一夜明けた今日、私達は合同任務に当たっていた。気まずいったらありゃしない。

硝子と同じように、夏油に与えられた等級を見定める任務である。報告によると「1級呪霊1体」とあるから、「1級呪霊4体」とかだろうな、多分。




「私は何も手を出さないから1人でやれ」


「もちろんです。先輩の手を借りるほど私も弱くはありませんから」


「……あっそ」




爽やか〜な笑顔でそう返してくるが、これは「当たり前だろテメェの手なんざ死んでも借りねぇよ」と言われている、確実に。

原作では夏油達の1年時代は描かれていない。つまり、私は今の彼がどれだけの力があるか分からないということ。
1級呪霊4体くらいならパパっと祓えるもんなのかな、よくわかんね。

風船ガムを噛みながら、夜蛾から渡された夏油に関する資料をパラパラと捲る。

呪霊を取り込み操る、呪霊操術。非術師の家庭から生まれたにも関わらず、強力な術式を持つ期待の1年。常に冷静で状況判断能力も申し分ない。なるほど。知ってる。



「…御手洗家というのは、五条家まではいかずとも呪術界の中で名家と謳われる家柄のようですが、」



資料から目を離し、静かな声でそう切り出した夏油に視線を向ける。



「呪術界の重鎮というのは、どこも礼儀作法というのを習わないのでしょうか？」


にこり。
貼り付けられた笑みで告げられた言葉は、私を煽る言葉に他ならない。
「足を組みガムを噛む様子は下品極まりないないと思うのですが」と冷めた声で続ける夏油に、場の空気が凍りついた。




「そうさなぁ。呪術師なんてみんなゴミだからな。呪術師も非術師もゴミ。人間ってみんなゴミ」


「……それは貴方がゴミのような価値観を持っているからそう見えるのでは？」


「…言うねぇ。別にどう思ってくれてもいいが、任務に私情は挟むなよ」


「言われなくても分かってますよ。一々先輩面をするのはやめて頂きたいものだな」



お互い顔は笑っているものの、言葉と空気の冷ややかさは氷点下である。

ほら、やっぱり補助監督さんビビりすぎて冷や汗ダラダラだよ。白目向きそうになってるよ、かわいそ。

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