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義勇さんが任務に出かけてから、いつものように布団を干していると。
「義勇さーん、ごめんくださーい!」
玄関から、義勇さんを呼ぶ声が。
どなただろう。
『はーい、ただいま……あれ?』
「あっ、すみません!義勇さんは……」
『先程任務に…あの、竈門炭治郎さん、ですよね?』
扉を開けた先にいたのは、花札の耳飾りをした少年。
竈門炭治郎。
彼は鬼を連れた剣士として隠の間でも話題だった。
特に後藤先輩は彼と随分仲がいいらしく、竈門くんの名前はよく聞いていたのだ。
「はい、竈門炭治郎です!よろしくお願いします!」
ハキハキした声で勢いよく頭を下げる竈門くんは後藤先輩の言う通りとても礼儀正しくいい子だ。
『良かったら上がってください、この間買った茶菓子をお出ししますから!』
「いやいや!そんな!申し訳ないですよ!」
『折角来ていただいたんですから、お気になさらず』
「じゃあ…失礼します」
竈門くんに茶菓子とお茶を出し、向かい合って座る。
歳が近いということもあって、お互い敬語もなしに話せるくらい仲良くなった。
「そっかぁ、Aはじゃんけんで勝って義勇さんの専属になったんだな!」
『そうなの、酷いでしょ?後藤先輩、あれ絶対分かってて私のこと騙したんだよ〜!』
炭治郎はすごく面白くて、よく話す子だ。
『義勇さんは炭治郎の兄弟子なんだ、そっかぁ』
「あぁ!俺達を導いてくれたのが義勇さんだったんだ。」
炭治郎は、義勇さんに出会った時の話や、柱合会議で義勇さんが自分たちに命を懸けてくれたこと、任務で義勇さんに助けられたことなど、沢山私が知らない義勇さんを教えてくれた。
「それにしても、義勇さんはAのことを大切に思ってるんだな」
『えっ?どうして?』
「最近義勇さんが凄く幸せそうな匂いを纏ってるんだ。きっとAが居るからだよ」
鼻が利くという炭治郎が言うのだ。
きっと本当にそんな匂いをさせているんだろう。
私がきっかけでそうなってるなら、これ以上に嬉しいことは無い。
「あ、俺そろそろ行かなきゃ!じゃあ、また近いうちに来るよ!」
『わかった!またね、炭治郎』
「ああ、またな!」
手を振りながら走っていく炭治郎の後ろ姿を見送って、私も屋敷に入る。
『ふふ、明日は鮭大根にしようかな!』
義勇さんが喜んでくれますように。
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きよりん(プロフ) - わらび餅。さん» 飲み会(笑)いえいえ、指摘なんて失礼しました。 (2020年7月8日 10時) (レス) id: 599608a929 (このIDを非表示/違反報告)
わらび餅。(プロフ) - 義勇大好きな女さん» わ〜!そんな風に言っていただけて嬉しいです!お読みいただきありがとうございます〜!! (2020年7月8日 6時) (レス) id: b794bc2212 (このIDを非表示/違反報告)
義勇大好きな女 - 話終わったら、目から水が、、、!? (2020年7月7日 22時) (レス) id: 8ebef6a95a (このIDを非表示/違反報告)
わらび餅。(プロフ) - きよりんさん» そうです、軟骨になってますね……笑ご指摘ありがとうございます、直しておきます……軟骨と包帯って今から飲み会でもやんのか?って感じですねすいません……笑 (2020年7月7日 5時) (レス) id: b794bc2212 (このIDを非表示/違反報告)
きよりん(プロフ) - 31話と32話に軟骨とありますが軟膏の事ですか? (2020年7月6日 23時) (レス) id: 599608a929 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:わらび餅。 | 作成日時:2020年5月22日 11時