【鬼滅の刃】冨岡専用の隠ちゃん。【冨岡義勇】

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『冨岡さん」






「…………」






『おーい！冨岡さーん！』






「…………」






現在、冨岡さんに無視されています。






何故？






なにか怒らせるようなことをしただろうか。






残念ながら思い当たる節は1つもない。






うーん、最近鮭大根作ってないからかな。






『冨岡さん、今日のお昼は鮭大根にしますから、ね？』






「…………」






『……返事をしてください！冨岡さん！』






何をこの人は不貞腐れているんだろう。






そんなに鮭大根が食べたかったんだろうか。






「……………………冨岡さんじゃない。」






『え？』






「俺は、冨岡さんじゃない。」






え、何言ってるの。






これはまたいつもの言葉が足りないやつだとは分かっていても、今回ばかりは補う言葉がなんなのか検討もつかない。






だって冨岡さんだもの。






「A。」






『はい？』






「………何故冨岡さんと呼ぶ。」






あぁ、わかった。






自分は名前で呼んでいるのに、何故お前は名前で呼ばずに冨岡さんと呼ぶんだ。






俺は冨岡さんじゃない。






そういうことだ。






やっと分かったけど、呼び方なんて今更じゃないだろうか。






でもここで拒否したらまた喋ってくれなくなりそうだし。






『……義勇さん？』






「ああ。」







少しだけ恥ずかしいけれど、ちゃんと名前で呼んでみれば義勇さんはご満悦な様子。






名前で呼んで欲しかったなんて、やっぱりちょっと子供みたいな所がある。






「…何がおかしい」






クスクスと笑っていたのがお気に召さなかったらしい義勇さんは、少しムッとした顔で私に顔を寄せる。







近い近い。







最近やたらと義勇さんが距離を詰めてくるのだ。







名前で欲しいとか、距離が近いとか、私に心を許してくれてるってことなのかな。






それなら、すごく嬉しい。






もうここに来て2ヶ月。






あと1ヶ月でこの生活も終わってしまうから。







『いいえ、なんでもありませんよ、義勇さん！』







今はただこの幸せな瞬間を味わおう。




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このお話は40話ほどで終わる予定ですので是非最後までお付き合い下さい！

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