KZが調べるあの子は鬼殺の剣士！？ (ページ20)

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一方その頃ページ20

彩sid

私達が襲われてから2日目、若武の家に召集がかかった。

若「…さて、今回の議題はわかっているとは思うがあの謎の女について、だ。」

若武がソファに身を沈めて重々しく口にすると、その場に一気に緊迫した雰囲気が漂う。

私は机の上で今までの時間が記録されている探偵ノートを開き、島崎さんが運んできてくれたドーナツを食べている。

今度作り方教えて貰おうかな。
いつもならそう思っている筈なのに、今日は喉をろくに通らなかった。

だって、あんな事が目の前で起こっんだもの。

ぼーっとしていると重苦しい沈黙を破って小塚君が口を開いた。

小「あのさぁ、僕達はあの子に関わらない方が良いんじゃないか？」

吃驚した。

若武もポカンと口を開けているし、私もそんな事考えてなかったから。
でも、言われてみれば確かに今までの事件とは格が違う。

今までは人間相手だったけど、私達を襲って来たのは絶対に人間じゃなかった。
今思い出しただけでも震えてくる。次は助からないかも知れない…。

様子を伺うように上杉君と黒木君を見やった。すると黒木君が軽く目を伏せ、呟く。

黒「俺も小塚に賛成。今回は俺達が太刀打ち出来そうな相手でもないし調査するにしても手掛かりが全く無い。それに、危険だろ。」

確かに。
納得して同意を示そうと思った時、冷たくも聞こえる上杉君の声が響いた。

上「俺は反対だ」

その静かな声に黒木君以外が目を見開いて上杉君を見る。でも若武は上杉君にササッと歩み寄るとキラキラした目で詰め寄った。

若「なっ、そうだよな上杉！此処まで来て危険だからやめるなんて出来ねぇよな！」

もう、バカ武っ！！

しかしその手を鬱陶しそうに振り払って上杉君は静かに言ったのだ。

上「うるせぇ。俺は別にあんな君悪いバケモンを追うつもりはねぇ。だが、あの女の態度が気に食わねぇんだよ」

どちらも筋は通ってると、一瞬思ってしまった。
だって、危険なのは怖いけどAさんの態度には確かに腹が立ってしまったから。

困って口をつぐむと、若武が畳み掛けるようにいう。

若「そうだよな！ムカつくし俺らで解明しよう！お前らは帰って良いぞ。」

一方的に偉そうに言う若武に私も小塚君もムッとした。
でも、そんな事も伝わらず若武は上杉君の肩を抱いて奥の部屋に行こうとする。

その背中を見ているうちに、ふっと頭の中で冷静になった自分が居た。

主)文字数…