『鈴の音に誘われて』 Br ページ8
小さな頃から他の人とは違うものが見えていた。
いわゆる妖怪とか幽霊とか、そういうものが見える。
でも、それが普通ではないことは小さい頃から何となく分かっていた。
友達から「どうして何も無いところを見てるの？」と聞かれることが多いからだ。
どうやらA以外には見えないものらしい。
そのせいか、何故かAは不思議ちゃんとして扱われていた。
Aがどこかを見てると「また変なとこ見てるなあ」と思われるだけだ。
そしてそんなAには毎日寄る場所があった。
家の近所の神社である。
そこにはAの友人達が住んでいるのだ。
いつもの様に鳥居をくぐり抜け、石段を駆け上がる。
そうすれば友人達がAに気付いたようで嬉しそうに近寄ってきた。
「Aー！」
「やっほー、A！」
「元気？ミケ、クウ！」
「元気だよー！」
ミケ、クウ、と呼ばれた猫は嬉しそうにAの周りを駆け回る。
一見ただの猫にも見えるが、実は化け猫である。
彼らを撫でると嬉しそうに喉を鳴らした。
妖怪とは思えない可愛さである。
「そういえばBroooockは？」
「Broooock？えっとねー、さっきまでいたはずだよ？」
「あ！いたいた！Broooockー！Aが来たよー！」
クウが本殿まで走る。
その先には蘇芳色の着物を着た男が下駄の音を鳴らして桃の方に歩いて来る。
彼が歩く度にチリンチリンと鈴の音が響いた。
Broooock、と呼ばれた男は眠そうに欠伸をしている。
「ふわあー、もうこんな時間･･･？」
「そうだよー、Aが来る時間！」
「ううん、暇なの？毎日こんなとこに来るとか･･･」
Broooockは少しずれた羽織を着直す。
それは本当に何気ない一言だったが、それをどう思ったのかミケとクウはBroooockに向かって威嚇する。
シャーッと言って毛を逆立てていた。
「えっ、何でそんなに怒ってんの？ 」
「失礼だよBroooock！」
「失礼！」
「えー、何でー？」
「Aは毎日忙しいのにわざわざBroooockに会いに来てるんだよ！」
「そうだよー、なのにそんなこと言うなんて！」
「ミケ、クウ、私は気にしてないよ」
「･･････うーん、Aがそう言うなら」
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みらい(プロフ) - どちゃくそ好きなんですけど！！(興奮)knさんの『愛を数えよ』って999本だから「何度生まれ変わってもあなたを愛する」ってことですよね？！？！ やっぱ好み把握されてる？(そんなことはない)(ちなみに数えるとき電卓ミスりまくって心折れそうになった) (2020年12月10日 13時) (
レス) id: 602a53560f (このIDを非表示/違反報告)
わらび餅(プロフ) - ささくれさん» コメントありがとうございます。こちらとしてもこの話を書いていて楽しかったです。リクエストありがとうございました。 (2019年5月12日 8時) (レス) id: 923f72b457 (このIDを非表示/違反報告)
ささくれ(プロフ) - こんばんは、作品読ませていただきました！イメージの通り見事なまでのすれ違いで読んでいてとてもドキドキできました。ありがとうございました(^^) (2019年5月12日 3時) (レス) id: 02491d5f49 (このIDを非表示/違反報告)
わらび餅(プロフ) - 水無月みなとさん» コメントありがとうございます。そう言ってもらえてとても嬉しいです。私も妖怪パロは大好きです。更新はのんびりですが頑張りたいと思います。 (2019年5月5日 18時) (レス) id: 923f72b457 (このIDを非表示/違反報告)
水無月みなと(プロフ) - 初めてまして、コメント失礼します。"鈴の音に誘われて" とても素敵でした!!!個人的に妖怪パロがとても好きなので、こういったお話が見れてとても嬉しく思います。更新頑張ってください。 (2019年5月5日 17時) (レス) id: e8bc1ec57a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わらび餅 | 作成日時：2019年4月29日 15時
