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痛みと苦しさに思わず顔を顰める。
一見押し倒された形にはなっているが、Aはどうやってこいつを殺そうかとしか考えていない。
そうするにはまずこの状況を打開しなければ。
「なあ、お前人狼だろ？」
シャークんの顔は暗くてよく見えない。
だが、その瞳はギラギラと光っていた。
一瞬だけだが怯んでしまった。
Aはそれを隠すように「･･･そうだけど」と言った。
だが、それに気付いているのかシャークんは笑っていた。
そしてシャークんの指がAの頬に触れる。するとズキリと痛んだ。
どうやら気付かぬうちに怪我をしていたようだった。
シャークんの指に血が付く。
シャークんはそれをペロリと舐めた。
「なあ、俺と手を組まない？」
「･･････どこに私にメリットはあるの？」
せめてもの反撃でシャークんを睨む。
Aが人狼とは言えど、力の差は歴然だった。
起き上がろうとするが、シャークんは更にAにかける力を強くするのだ。
「俺は吸血鬼、お前は人狼。どっちも村人･･･人間から狙われる立場。一緒に村人を殺そうぜ」
「･･･貴方は、私と村人のどっちが死んでも構わないと思うのだけれど」
「勿論、血が貰えたら充分だ。だけど、お前一人と村人何十人。より多く血が欲しいならどっちが良いと思う？」
「･･･ああ、そういうことね」
Aは村人を殺したい。
シャークんは沢山の血が欲しい。
確かに、利害は一致している。
Aが「･･･降参よ、分かった。要求を飲むわ」と言うとシャークんは嬉しそうに笑う。
ギザギザの歯が見える。
噛まれると痛そうだなあ、とAは場違いなことを思っていた。
「よし、じゃあよろしくな」
シャークんはAの手を引いて起き上がらせる。
そしてもう片方の手をAの背中に回したかと思ったら、Aに顔を近付ける。
そしてAの怪我をした頬を今度は直接舐めた。
背中に手を回したのは、Aが逃げないようにするためだったようだ。
「っ！？･･･な、な、何してんの！？」
「人狼の血も美味いよなー」
「ふ、ふざけないでよ！？」
子犬のように身体を震わせて涙目になっているAを見て、シャークんはまた楽しげに笑っている。
絶対いつか殺してやる、とAは悔しげにシャークんを睨んだ。
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みらい(プロフ) - どちゃくそ好きなんですけど！！(興奮)knさんの『愛を数えよ』って999本だから「何度生まれ変わってもあなたを愛する」ってことですよね？！？！ やっぱ好み把握されてる？(そんなことはない)(ちなみに数えるとき電卓ミスりまくって心折れそうになった) (2020年12月10日 13時) (
レス) id: 602a53560f (このIDを非表示/違反報告)
わらび餅(プロフ) - ささくれさん» コメントありがとうございます。こちらとしてもこの話を書いていて楽しかったです。リクエストありがとうございました。 (2019年5月12日 8時) (レス) id: 923f72b457 (このIDを非表示/違反報告)
ささくれ(プロフ) - こんばんは、作品読ませていただきました！イメージの通り見事なまでのすれ違いで読んでいてとてもドキドキできました。ありがとうございました(^^) (2019年5月12日 3時) (レス) id: 02491d5f49 (このIDを非表示/違反報告)
わらび餅(プロフ) - 水無月みなとさん» コメントありがとうございます。そう言ってもらえてとても嬉しいです。私も妖怪パロは大好きです。更新はのんびりですが頑張りたいと思います。 (2019年5月5日 18時) (レス) id: 923f72b457 (このIDを非表示/違反報告)
水無月みなと(プロフ) - 初めてまして、コメント失礼します。"鈴の音に誘われて" とても素敵でした!!!個人的に妖怪パロがとても好きなので、こういったお話が見れてとても嬉しく思います。更新頑張ってください。 (2019年5月5日 17時) (レス) id: e8bc1ec57a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わらび餅 | 作成日時：2019年4月29日 15時
