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本当は、Aはとても善良な人間なのだ。
まるで天使のような。
それが、どこかの誰かの良からぬ企みによって、彼女は世界を恐れるようになった。
それを助けたのが、きんときである。
元々高校からの友人であったし、大学も一緒なのでできる限りAを助けていると、いつの間にかAはきんときしか信用しなくなっていた。
「ありがとう、今日も助けてくれて･･･」
「これくらい大丈夫だって･･･だから、出かける時は俺がいる時だけな？」
「うん、分かった･･･」
きんときはにやけそうになる口元を手で隠した。
実際、Aにはその表情は見えないのだがつい隠してしまう。
ああ、まさか本当にここまで来てくれるなんて！
･･･実は、Aの悪い噂を流したのはこのきんときである。
その事実は彼しか知らない。
噂というものは、広がってしまえば噂の出処なんて分からない。
せいぜい、『人から聞いた』というくらいだろう。
全てはAを自分だけのものにするため。
この天使のような彼女は、この穢れた世界には似合わない！
誰にも見せたくない。
自分だけを見て欲しい。
自分だけを信用して欲しい。
なので、Aにはこの世界を嫌いになって貰う必要があった。
外の世界に絶望し、この狭い家の中でずっときんときの為に生きていて欲しい。
「大丈夫、俺がずっとAの傍にいるから」
ああ、この感情をどう例えたらいいのか。
自分でも狂っているという自覚はある。
だが、それでもいい。
Aがいるならば。
この飛ぶ羽を失った天使の為ならば、何にでもなってやる。
これでAは完全に外の世界に絶望してくれただろう。
これからは、二人だけの箱庭で、二人だけの世界を。
「ずっと、ここにいて良い･･･？」
「ん？そんなの当たり前だろ？」
以前はいつも笑っていて、まるで世界の全てを愛していると言わんばかりだったA。
だが、今は世界を恐れ、この家の中しか彼女の安住の地は存在しない。
それで良い。
Aの笑顔を見られるのはきんときのみ。
それだけで、きんときの気持ちは満たされる。
Aは、きんときが幸せそうに笑っているその本当の理由を知る由もなかった。
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みらい(プロフ) - どちゃくそ好きなんですけど！！(興奮)knさんの『愛を数えよ』って999本だから「何度生まれ変わってもあなたを愛する」ってことですよね？！？！ やっぱ好み把握されてる？(そんなことはない)(ちなみに数えるとき電卓ミスりまくって心折れそうになった) (2020年12月10日 13時) (
レス) id: 602a53560f (このIDを非表示/違反報告)
わらび餅(プロフ) - ささくれさん» コメントありがとうございます。こちらとしてもこの話を書いていて楽しかったです。リクエストありがとうございました。 (2019年5月12日 8時) (レス) id: 923f72b457 (このIDを非表示/違反報告)
ささくれ(プロフ) - こんばんは、作品読ませていただきました！イメージの通り見事なまでのすれ違いで読んでいてとてもドキドキできました。ありがとうございました(^^) (2019年5月12日 3時) (レス) id: 02491d5f49 (このIDを非表示/違反報告)
わらび餅(プロフ) - 水無月みなとさん» コメントありがとうございます。そう言ってもらえてとても嬉しいです。私も妖怪パロは大好きです。更新はのんびりですが頑張りたいと思います。 (2019年5月5日 18時) (レス) id: 923f72b457 (このIDを非表示/違反報告)
水無月みなと(プロフ) - 初めてまして、コメント失礼します。"鈴の音に誘われて" とても素敵でした!!!個人的に妖怪パロがとても好きなので、こういったお話が見れてとても嬉しく思います。更新頑張ってください。 (2019年5月5日 17時) (レス) id: e8bc1ec57a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わらび餅 | 作成日時：2019年4月29日 15時
