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3話 ページ3

シルクたちが帰って少しすると扉がノックされた
夕飯の時間かな?

時計をちらりと見て返事をする
看護師さんなら返事をすれば入ってくるはず

貴「…隣の小日向です…」
小さいけどよく通る綺麗な声が聞こえた

お隣さん?
なんの用だろう?

中に入るように諭すとゆっくりと入室してきた
バチッと一瞬目があったけどすぐ逸らされた

顔が…今までにないくらいに
熱くなった、赤くなった

澄んだパッチリとした瞳
艶やかに腰あたりまで伸びた黒髪

肌は透き通るように白く
可憐さを引き立たせていた

怯えたように口を閉じたまま動かない
マサイ「えっと…何かようですか?」

そう聞くと
貴「…お見舞いの人の声がうるさくて…声小さくしてくれないかなって…」

その声はやっぱり小さくて
やっはり怯えていて

マサイ「あっ…すみません、あいつらには言っときます」
でも引き寄せられた

貴「では…」
逃げるように踵を返して扉に手をかけた

マサイ「あのっ!」
彼女の体がビクリと震えた

…なんで、声をかけたんだろう
考えるより先に声が出てしまった

何か言わなきゃ
マサイ「…えと…下の名前、教えてくれませんか?」

そう思って1番無難であろう話題を提示した
貴「A…です」

小日向…A
なんとなく頭の中で反芻した

マサイ「俺マサイです。Aちゃんは20歳なんだよね…?俺は24歳、よろしくね」
こくんと1度だけ頷いて

病室を逃げ出した
マサイ「またね…」

聞こえてるか分からないけど
そう声を掛けた

最後に見えた顔は泣いているようにも見えた
また会いたい

マサイ「小日向A…」
口に出してそう言えば胸が痛くなった

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設定タグ:Fischer's , マサイ   
作品ジャンル:恋愛
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りん(プロフ) - とても感動しました。本当に素敵な作品でした、これからも応援しています! (2021年7月19日 12時) (レス) id: 455f01eeaa (このIDを非表示/違反報告)
*のの(プロフ) - みかんさん» 分かりました!わざわざコメントありがとうございます! (2020年11月9日 22時) (レス) id: 271830f170 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - これも残して欲しいです! (2020年11月8日 21時) (レス) id: f236b70c3f (このIDを非表示/違反報告)
*のの(プロフ) - @さん» ありがとうございます!違う作品も読んだらぜひコメントください! (2019年9月23日 9時) (レス) id: 139f9ac550 (このIDを非表示/違反報告)
@ - とても感動しました!!こんな素敵な作品を作ってくれてありがとうございました。違う作品も見てみたいです!! (2019年9月22日 22時) (レス) id: 298780871c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鳴海 帆南 | 作成日時:2019年6月6日 16時

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