15話 ページ15
貴「ねぇ、マサイ…」
ﾏｻｲ「ん？どうしたの？」
マサイは編集しているにも関わらず
顔を上げて私の目を見た
貴「あのさ…お願いがあるんだけど…聞いてくれる？」
そう言うと少し眉を寄せて
ﾏｻｲ「お願い…？何？」
あの時希望に満ちて見つめることが出来なかった瞳も
今では確りと見ることができる
目を逸らすことができないほどに依存している
貴「マサイってさ…車運転できる？」
ﾏｻｲ「…ごめん、免許持ってないんだ」
本当に申し訳なさそうな顔をしてきた
貴「ううん、違うの！そんな顔しないで？」
ﾏｻｲ「うん…持ってないけど、さ…聞くだけ聞いてもいい？」
少し俯いてしまえば
彫りの深い目元はもう見えなくなってしまう
こんなの…ただの我儘なのに…
貴「海に…行きたいなって…ドライブして…」
ﾏｻｲ「えっ…俺とって、こと…？」
バッと顔を上げる
澄んだ目を見開いていた
ﾏｻｲ「なんで…俺なの？モトキとじゃなくて…いいの…？」
どうしていつもモトキが出てくるのだろう
貴「どうしてモトキなの？」
ﾏｻｲ「いやっ、モトキが好きなんだろ…？」
眉を下げて恐る恐る聞いていた
好き…好き…？
勿論モトキのことは好き
でもマサイを想う好きとは違う
マサイが好きなんて伝えることは出来ない
もう私には『未来』なんて持ち合わせがないから
好きと伝えてもし…断られたとしたなら諦めがつく
だけどもし想いが伝わってしまった場合
今よりも…
もっと生きたくなってしまう
貴「モトキとじゃなくて…私はマサイと行きたい」
思い切って伝えると
ﾏｻｲ「…そんなこと言われたら…俺、期待するけどいいか？」
貴「き、たい…？」
何を期待するの…？
ﾏｻｲ「俺はっ…Aが好きだ…だから…期待させないでくれよ…」
あぁ、どうしよう…
もう…止まらない
貴「私だって…好きだよ…マサイのこと…だけどもう…時間が無いの…！あと半年だって…そんな私の為にマサイの大切な時間、これ以上使って欲しくないよ…」
ﾏｻｲ「あと半年なんて…そんなのきいてねぇ…！」
嫌だ…私なんかの為にそんな顔してほしくない…
ﾏｻｲ「約束する！免許とるから！必ず2人で海に行こう？死ぬなんて言うなよ…時間がないとかそんなこと…」
ﾏｻｲ「必ず守る、免許取って車を買う。Aはそれまで生きること！約束、しよう」
そんなふうに言われたら…
貴「…うんっ」
こう答えるしかないじゃない…
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りん(プロフ) - とても感動しました。本当に素敵な作品でした、これからも応援しています！ (2021年7月19日 12時) (
レス) id: 455f01eeaa (このIDを非表示/違反報告)
*のの(プロフ) - みかんさん» 分かりました！わざわざコメントありがとうございます！ (2020年11月9日 22時) (レス) id: 271830f170 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - これも残して欲しいです！ (2020年11月8日 21時) (レス) id: f236b70c3f (このIDを非表示/違反報告)
*のの(プロフ) - @さん» ありがとうございます！違う作品も読んだらぜひコメントください！ (2019年9月23日 9時) (レス) id: 139f9ac550 (このIDを非表示/違反報告)
@ - とても感動しました！！こんな素敵な作品を作ってくれてありがとうございました。違う作品も見てみたいです！！ (2019年9月22日 22時) (レス) id: 298780871c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鳴海 帆南 | 作成日時：2019年6月6日 16時
