それはまだ、未定。 (ページ7)

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北『ごめん、帰宅前に…』

「ううん、珍しいね。
どしたの？」

北『Aちゃんの後輩の事なんだけど』

「ジェシーくんかな？」

北『あぁ、そう、そいつ』

「名前覚えてあげてよ(笑)」

北『ごめん、森本で手一杯で』

「森本くんも大変そうだけども(笑)」

北『まぁ、森本は置いといて。
ジェシーのやつ、うちの部の女とたまにコソコソ話してるの見るんだよ』

「彼女じゃなくて？
さっき来てて私も見た、ゆるふわ系の女の子」

北『多分思い浮かんでるのは同一人物だと思うんだけど…』

「その子とジェシーくんがどうかしたの？」

北『いや、水樹紗良っていうんだけど。
突然うちの部に入ってきてまじで謎でさ。
どうやら親のコネ使って周り振り回して、
前の会社で居場所無くしてコネで転職してきたらしい』

「コネ？社長令嬢、的な？そりゃ美人さんだわ〜。
でもそれ、噂じゃなくて？
あまりにも見た目がいいから皆嫉妬してるんじゃないの？」

北『久々に京本先輩から連絡来て、気をつけろよって』

「突然のきょも先輩。
…わーお。
信憑性高まっちゃった」

きょも先輩こと、京本大我。

親ガチャ大当たりの、
明るい将来を約束された一つ上のバチバチお坊ちゃま。

社会勉強だか何だかでうちの部に居た時
ちょうど私が入社して、教育担当になったのがきょも先輩。

きょも先輩って呼び出したのは
言うまでもなく樹くんで、
きょも先輩が異動する時1番号泣してたのも
言うまでもなく樹くん。

樹くんが愛してやまない、きょも先輩。

「でもさ？その水樹さん？とジェシーくんが話してても違和感無いと思うんだけど」

北『少し聞こえちゃったんだよね。
‪水樹が”例の資料はまだ？‪”‬ってジェシーに迫ってて』

「資料？」

北『恐らく、そっちの企画、ぶん取るつもりなんだと思う』

「えっ！？」

北『俺も詳しくは聞き取れてないから、何とも言えないんだけど…
何かをネタに、企画書を要求してるんだと思う。
ターゲットがジェシーってとこも引っかかるんだよな』

「…」

北『Aちゃん？』

「っあ、ごめんごめん(笑)
びっくりしちゃって。
それとなく、ジェシーくんに探り入れてみるね」

北『俺も再度京本先輩に連絡してみるよ。
また新しい事分かったら声かける。
長々とごめん』

「ううん、こちらこそ。
北斗くんも忙しい中、ありがとう」

ジェシーくんが脅されてる…？

令嬢に？

何、このドラマみたいな展開は。