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81話 ページ44

酷く驚いたような顔をしたAが、少しだけ頰を赤く染めている。

「嫌じゃないですっ、全然…」そう言って、パパパっと大きな手の動きをするのが可愛くて思わず笑ってしまう。


「じゃ、行こうか。」

「…は、はい……ほ、ホントに私でいいんですか?」

「まだ疑うの?俺はAと行きたいって思ったんだけど。」

「…ありがとうございます、嬉しいです…」


ふんわりと、照れ臭そうに笑ったAにキュンとしてしまう。あ〜〜〜〜〜可愛い。チケットを渡せば、どうやら気になっていた映画らしく喜んでくれた。


「楽しみにしてます、土曜日。」

「うん。俺も。じゃあ、おやすみ。」

「おやすみなさい。」


ぽんぽんと軽くAの頭を撫でて、部屋へ戻る。部屋に入った瞬間力が抜けてへなへなとその場に倒れこんだ。


「何やってんだ。」

「………先輩、ちょっと殴ってください。」

「は?」

「…これは夢?」

「いよいよおかしくなったか?」


週末の為に仕事を頑張ろうと思ったのは、この時が初めてだった。








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作者名:さわだ | 作成日時:2019年5月20日 19時

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